ウイルスとは何か
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/15 06:19 UTC 版)
マインド・ウイルスという概念を理解するには、まず「ウイルス」とは何かということを理解する必要がある。ここでいうウイルスというのは、一つの概念であり、三つの世界に適応できる。生物の世界、コンピューターの世界、そして心の世界である。 生物学的ウイルス 生物学的ウイルス(DNAウイルス)は、細胞の中にある複製装置を利用する。その複製装置は、通常タンパク質を作ったり、細胞分裂の準備をしている。ウイルスは細胞に侵入し、自己の複製を作るよう複製装置に指令を発し、自己の遺伝情報を複製させ、複製されたウイルスは他の細胞に侵入していったり、くしゃみなどで多くの人々へ拡散していく。 コンピューター・ウイルス コンピューターの世界では、コンピューター・ウイルスである。コンピューター・ウイルスは、まず悪意のある設計者がプログラムを作る。そのプログラムを、誰かが使う他のプログラムに潜り込ませる。人々がそのプログラムを使うと、ウイルス・プログラムはコンピューター上の他のプログラムに自己の複製を感染させる。感染したプログラムが自動的あるいは手動で他のコンピューターにコピーされると、そのコンピューターもウイルスに感染する。 マインド・ウイルス 生物学的ウイルスとコンピューター・ウイルスの共通点から、ウイルスの四つの特徴が分かる。侵入、複製、指令の発信、拡散である。 DNAウイルスは細胞のコピー機構を利用し、コンピューター・ウイルスはコンピューターのコピー機構を利用する。そしてマインド・ウイルスは心をコピー機構として利用する。マインド・ウイルスは心に侵入し、コミュニケーションを通じて他の心に自己の複製を作る。そして行動を引き起こすミームで心をプログラムし、私達に指令を発する。その行動が様々な出来事を引き起こし、多くの人々の心へ拡散する。 ウイルスの拡散は、指数関数的増加をする。1, 2, 4, 8, 16と倍々に増えることを指数関数的増加と言う。この増加の仕方は非常に強力であるため、マインド・ウイルスは人々の生活に強い影響力を持つ。 あるマインド・ウイルスが有益なウイルスか、有害なウイルスかということは、必ずしも自明ではない。ブロディが例にあげる有害なマインド・ウイルスの一つは、ドイツのナチスが広め、多くの人々に感染したマインド・ウイルスである。 ブロディは、マインド・ウイルスを「文化ウイルス」と「設計ウイルス」の二つに大きく分けている。文化ウイルスは自然発生したウイルスであり、設計ウイルスは人工的に作られたウイルスである。
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