マイクロ波レーダー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/11 03:33 UTC 版)
電磁波を放射し、大気中の雨粒や雪・雹などの結晶によって反射して返ってくる電磁波を分析することで、雨や雪の位置と密度を観測している。 原理的には、波長3〜10cmのパルス状のセンチメートル波を発射し、降水粒子で散乱される電波を受信し、戻るまでの時間などを計測している。降水粒子の半径は1mm程度であり、レーリー散乱によるもので、探知可能距離は数十〜数百km程度。気象庁の標準的な値としては探知範囲は300km程度であり、波長5.7cm、パルス幅2μsのものが利用されている。 障害物があるとその影となる部分の観測がしづらいため、高い山の山頂などに設置されることが多い。1999年まで富士山頂で稼動していた富士山レーダーは最大で800km先まで観測が可能で、台風の観測などに大きな役割を果たした。 設備の規模が大きいため地上にしか設置されていなかったが、1990年代ごろから軽量化と小型化が進み気象衛星にも搭載できるようになった。気象衛星は観測範囲が広く、地上の障害物の影響を受けない利点がある。熱帯降雨観測衛星(TRMM)はマイクロ波レーダーを搭載している。
※この「マイクロ波レーダー」の解説は、「気象レーダー」の解説の一部です。
「マイクロ波レーダー」を含む「気象レーダー」の記事については、「気象レーダー」の概要を参照ください。
- マイクロ波レーダーのページへのリンク