ホスピス
【概要】 治癒(キュア)よりも、ケアに重点を置いた医療。これまでは病棟の作り方、医療機器やスタッフの配備のしかた、スタッフの考え方が、治癒の見込みがない疾患には向いていなかった。限られた人生をできるだけ快適に過ごさせることを目的にしたターミナルケア(終末期医療)を実現するのがホスピスである。
【詳しく】 施設の整備に注目しがちだが、本当は人の問題。医師よりも看護や心理専門家を多くすることが必要で、患者を中心に、家族、ボランティア、宗教者などが参加して一緒に行なうもの。かつてエイズはターミナルケアが主要課題であったが、治療の改善によりエイズホスピスは一時遠のいた。確かにHAARTが始まってエイズを発症させない時代になったが、エイズの中にも現在の医療では治せない病気がある。つまり治療抵抗性になった「癌」である悪性リンパ腫、カポジ肉腫の末期や、脳が冒されるリンパ腫、トキソプラズマ症、エイズ脳症、進行性多巣性白質脳症(PML)などの医療は「キュア」から「ケア」に重心を移す緩和ケアが必要である。
【日本の医療提供体制の矛盾】 エイズを担当している全国の拠点病院は、基本的に「急性期病院」でありDPCという医療費の支払い方式となっている。一方、慢性疾患で在宅療養ができない患者は療養型病床という中間施設に収容されることになっている。医療費は固定額であり抗HIV薬を使用したり検査をすると、大きな赤字になってしまうので療養型施設に移せない。急性期病院の長期入院も、医療費が減額され赤字を抱えているのが現実である。エイズは当初から緩和ケアの対象として想定されており、収容して頂けることを期待している。 http://www.pref.hiroshima.jp/fukushi/byouin/center/towa04.html
《参照》
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