プロトン地磁気NMRの共鳴周波数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 09:20 UTC 版)
「地磁気核磁気共鳴」の記事における「プロトン地磁気NMRの共鳴周波数」の解説
「ラーモア歳差運動」も参照 磁束密度 B の磁場下にスピン磁気モーメント m を置くと、mB だけのトルクが作用するため、プロトンの角運動量の大きさを L とすれば、歳差運動の角周波数(ラーモア周波数) ωp は ωp = (m/L)B = γp B で与えられる。 ここで、γp = (m/L) はプロトンの磁気回転比と呼ばれる物理定数であり、現在推奨されている数値は 0.2675221900(18)×109 s−1T−1である。 上式を歳差運動の角周波数のかわりに周波数 f = (ωp / 2π) を使って書きなおすと、f = (42.57747893(29) Hz/μT) B の形にできる。 地磁気の磁場強度は緯度に依存して変化するため、ラーモア周波数も同様に変化する。地磁気の磁場強度は赤道付近では 30 μT、極付近では 60 μT、中緯度ではおおよそ 50 μTであるから、対応してラーモア周波数は赤道付近では約 1.3 kHz、極付近では 2.5 kHz、中緯度ではおおよそ 2 kHzの可聴周波数帯域(AF)となる。電磁スペクトルの分類にしたがえば、この周波数はVLFおよびULFラジオ波バンドに位置し、地球物理学においては可聴周波数地磁気地電流(AMT)周波数とも呼ばれる。 プロトン地磁気NMRにおいて有用な水素核を含む分子の例としては、水、天然ガスや石油といった炭化水素、植物や動物に存在する炭水化物がある。
※この「プロトン地磁気NMRの共鳴周波数」の解説は、「地磁気核磁気共鳴」の解説の一部です。
「プロトン地磁気NMRの共鳴周波数」を含む「地磁気核磁気共鳴」の記事については、「地磁気核磁気共鳴」の概要を参照ください。
- プロトン地磁気NMRの共鳴周波数のページへのリンク