プッシャー方式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/19 15:07 UTC 版)
プロペラとエンジンを操縦席の後ろに配置する事で、プロペラと弾道の干渉を回避する。飛行機の機体形状としては主に、双胴形式、先尾翼形式、無尾翼形式を取る。戦闘機の黎明期には双胴機の原型とも言うべき、ブームで尾翼を支持した形でいくつかの機体が設計された。しかしこの時代の木製布張複葉機にプッシャー形式を採用する事は構造上の問題があり、機体性能を大きく低下させたため、上記プロペラ同調装置の普及後は廃れた。全金属製単葉機の時代となった第2次世界大戦期に再び試みられたものの、実用化できたのは双胴形式のサーブ 21のみである。日本において有名な海軍の震電は試験中に敗戦を迎えた。難点としてはプロペラが操縦席の後方に位置する以上、非常脱出の際に搭乗員がプロペラに巻き込まれないような仕組み(射出座席・プロペラの破壊装置等)が必要なこと、不時着時にエンジンがコクピットを押しつぶす可能性が高まることである。
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