ブロックバスター時代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/28 04:46 UTC 版)
「ブロックバスター (映画)」の記事における「ブロックバスター時代」の解説
1975年にスティーヴン・スピルバーグの『ジョーズ』で「ブロックバスター」の用語が使用された。同作はテンポの速さ、刺激的な娯楽性、劇場外での関心と口コミ(バズマーケティング)からリピーターを生むなど、従来の映画とは異なる新しい文化現象を生み出した。同作は「ブロックバスター時代」最初の映画であり、「ブロックバスター映画」というジャンルを確立させた記念碑的作品とされている。2年後の1977年に公開された『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』は『ジョーズ』の興行成績を塗り替え、1年以上のロングランを記録した。両作の成功後、ハリウッドのプロデューサーたちは両作のような商業的魅力を持つイベント映画(英語版)の製作を目指し、製作会社は大予算映画にグリーンライトを出すようになり、劇場公開のために大規模な宣伝活動を行うようになった。両作は「サマー・ブロックバスター映画」の原型とされており、大手映画スタジオと配給会社は大規模公開が行われる7月4日までの間に年間マーケティング戦略を練るようになった。その後15年間にわたり、『エイリアン』『エイリアン2』『インディ・ジョーンズ シリーズ』『E.T.』『ゴーストバスターズ』『ビバリーヒルズ・コップ』『バック・トゥ・ザ・フューチャーシリーズ』『トップガン』『ダイ・ハード』『バットマン』『バットマン リターンズ』『レッド・オクトーバーを追え!』などの高品質のブロックバスター映画が製作された。 しかし、映画業界がブロックバスター映画の製作に力を入れるようになったことに対して、一部の批評家や映画製作者から「ブロックバスター・メンタリティー(英語版)」への批判が起こり、アメリカン・ニューシネマ時代の作家主導の「より芸術的な」小規模映画の死を嘆いた。映画史家のピーター・ビスキンド(英語版)は、全ての映画スタジオが求めていたのは別の『ジョーズ』であり、製作コストが上昇することでリスクを背負う気概が減少し、そのため消費市場における「最小公分母」に基づいたブロックバスター映画が製作されるようになったと指摘している。また、クリス・アンダーソンは著作『ロングテール』の中で、ヒットが期待される映画だけが幅を利かせるヒット志向の社会は、実際には限られた世界であると主張している。
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