フレネ・セレの公式とは? わかりやすく解説

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フレネ・セレの公式

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/22 14:43 UTC 版)

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空間曲線; ベクトル T, N , B; そして TN で張られる 接触平面

フレネ・セレの公式 (ふれねせれのこうしき、: Frenet–Serret formulas) は、3次元ユークリッド空間R3 内の連続で微分可能曲線上を動く粒子の運動学的性質、あるいは、曲線自身の幾何学的性質を記述するベクトル解析の概念の一つである。

公式

この公式は、曲線に対する接線方向 (tangent)・主法線方向 (normal)・従法線方向 (binormal)を指す3つの単位ベクトルの組{T, N, B }からなるフレネ・セレ標構とその微分との間の線形関係について記述したものであり、二人のフランス人数学者ジャン・フレデリック・フルネ英語版 (Jean Frédéric Frenet, 1847) とジョゼフ・アルフレッド・セレ英語版 (Joseph Alfred Serret, 1851) によって独立に発見された。

フレネ・セレ基底を構成する単位接ベクトル T ・単位主法線ベクトル N ・単位従法線ベクトル B は次のように定義される。

  • T は曲線に接する単位ベクトルで、運動の方向を向いている。
  • NT を曲線の弧長で微分し、その大きさで割ったものである。
  • BTNベクトル積である。

フレネ・セレの公式は

螺旋上を動くフレネ・セレ標構。青い矢印は T、赤い矢印は N、黒い矢印は B をそれぞれ表す。

半径 r (>0)、間隔 2π h 、角速度ω(>0)の螺旋上の運動

を考える。弧長は

で与えられる。

フレネ・セレ標構は

であり、曲率・捩率は

となる。

h =0 のとき、軌道は xy 面内の半径 r の円周になり、曲率は κ=1/r 、 捩率は τ =0 となる。|h| が大きくなるにつれ、曲率はκ→0、捩率は τ →1/h となる。

応用例

ロボットマニピュレータの姿勢とその軌道を記述したり[1][2]、蛇型ロボットや多関節ロボットを連続曲線で近似して表現[3][4]する際に用いられる。

脚注

参考文献

関連項目


フレネ・セレの公式

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「フレネ・セレの公式」の記事における「フレネ・セレの公式」の解説

フレネ・セレ標構に対して、動標構の微分関係式(0)を適用すると、フレネ・セレ標構の定義(2)からω2=0となる。ω3=κ,ω1=τと置き換えるとフレネ・セレの公式: d d s ( T N B ) = ( 0 κ 0 − κ 0 τ 0 − τ 0 ) ( T N B ) {\displaystyle {\frac {\mathrm {d} }{\mathrm {d} s}}{\begin{pmatrix}{\boldsymbol {T}}\\{\boldsymbol {N}}\\{\boldsymbol {B}}\end{pmatrix}}={\begin{pmatrix}0&\kappa &0\\-\kappa &0&\tau \\0&-\tau &0\\\end{pmatrix}}{\begin{pmatrix}{\boldsymbol {T}}\\{\boldsymbol {N}}\\{\boldsymbol {B}}\end{pmatrix}}} が得られる。 κ,τはそれぞれ曲線曲率捩率表し、公式より、 κ = d T d s ⋅ N = ‖ r ′ ( t ) × r ″ ( t ) ‖ ‖ r ′ ( t ) ‖ 3 τ = − d B d s ⋅ N = r ′ ( t ) ⋅ ( r ″ ( t ) × r ‴ ( t ) ) ‖ r ′ ( t ) × r ″ ( t ) ‖ 2 {\displaystyle {\begin{aligned}\kappa &={\mathrm {d} {\boldsymbol {T}} \over \mathrm {d} s}\cdot {\boldsymbol {N}}\\&={\left\|{\boldsymbol {r}}'(t)\times {\boldsymbol {r}}''(t)\right\| \over \left\|{\boldsymbol {r}}'(t)\right\|^{3}}\\\tau &=-{\mathrm {d} {\boldsymbol {B}} \over \mathrm {d} s}\cdot {\boldsymbol {N}}\\&={{\boldsymbol {r}}'(t)\cdot ({\boldsymbol {r}}''(t)\times {\boldsymbol {r}}'''(t)) \over \left\|{\boldsymbol {r}}'(t)\times {\boldsymbol {r}}''(t)\right\|^{2}}\end{aligned}}} と与えられる。定義により κ >0 である。

※この「フレネ・セレの公式」の解説は、「フレネ・セレの公式」の解説の一部です。
「フレネ・セレの公式」を含む「フレネ・セレの公式」の記事については、「フレネ・セレの公式」の概要を参照ください。

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