フットボール協会とラグビーフットボールの分裂
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「ラグビーユニオンの歴史」の記事における「フットボール協会とラグビーフットボールの分裂」の解説
フットボール協会(FA)は、1863年10月26日のロンドン、リンカーンズ・イン・フィールズ、グレート・クイーン・ストリート(英語版)にあるフリーメーソンズ・タバーン(英語版)で結成された。目的は、「フットボール」という一つの表題の下で全ての様々なプレー方法の最良かつ最も容認可能な点を包含する競技規則の骨組みを作ることであった。第4回の会合の開始時、当時の直近に数多くの新聞がケンブリッジ・ルールズの新しい版を発表したことが注目を引いた。ケンブリッジ・ルールズはFAの規則の草案と2つの重要な部分、すなわち「ボールを持って走ること」と「ハッキング」(相手の脛を蹴ること)で異なっていた。意見の分かれた草案中の2つの規則が以下である。 IX. フェアキャッチした、あるいは1回目のバウンドでボールを捕球した選手は、対戦相手のゴールに向かってボールを持って走る権利があるものとする; しかしフェアキャッチの場合、マークを行ったならば、走ってはならない。X. もし選手が対戦相手のゴールに向かってボールを持って走ったならば、反対側のいかなる選手も彼に対して自由にチャージング、トリッピング(※足をひっかけて転ばせること)、またはハッキングしてよい、あるいは彼からボールをもぎ取ってよい。しかし、同時にホールディングとハッキングをしてはならない。 — 第5回の会合で、これらの2つの規則をFAの規則から抹消する動議が提出された。ブラックヒース・クラブのメンバーであったフランシス・モール・キャンベル(英語版)は、ハッキングは「フットボール」の本質的要素であり、ハッキングを除外することは「ゲームでの勇気も気力もすべて追い払うでしょうし、私は多くのフランス人を連れてきて、1週間の練習であなた方を打ち負かすでしょう」と主張した。12月8日の第6回の会合で、キャンベルは、FAが採用するつもりの規則はゲームとそれについての興味をすっかり破壊するだろうと説明し、ブラックヒース・クラブをFAから脱退させた。その他のラグビー式ルールを採用するクラブもこれに追従し、フットボール協会に加盟しなかった。
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