フッサール 現象学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/02 02:29 UTC 版)
「ドイツ現代思想」の記事における「フッサール 現象学」の解説
新カント派は、領域のみならず、方法の違いによって自然科学と精神科学が区別されるとしたのであるが、このような考え方を批判し、すべての学問の厳密な基礎付けを目指したのがフッサールであった。当時は、アルベルト・アインシュタインの相対性理論を始めに、量子力学を含め理論物理学が飛躍的に発展し、デカルトやカントが前提としていたニュートン力学に対する重大な疑義が出された時代であり、改めて学問の基礎付けが問題となったのである。フッサールは、数、自己、時間、世界などの諸事象についての、確実な知見を得るべく、通常採用している物事についての諸前提を一旦保留状態にし、物事が心に立ち現れる様態について慎重に省察することで、イデア的な意味を直観し、明証を得ることで諸学問の基礎付けを行うことができると考えた。フッサールの「事象そのものへ」立ち返るという超越論的方法論は基本的にはカントを批判的に承継したものといえるが、すべての学問の基礎付けを目指すという意味ではヘーゲルの壮大な学問体系を目指すものともいえる。
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