フォーマットとレイヤー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/07 13:55 UTC 版)
「InChI」の記事における「フォーマットとレイヤー」の解説
全てのInChIは、InChI=という文字列から始まり、バージョン(現在は1)が続く。standard InChIでは、これにSの文字が続く。残りの情報は、レイヤーとサブレイヤーの配列として構造化され、各々のレイヤーは、1つの種類の情報を収める。レイヤーとサブレイヤーは、区切り文字 / で隔てられ、(メインレイヤーの化学式サブレイヤーを除き)固有の接頭文字で始まる。6つのレイヤーと各々の重要なサブレイヤーは、以下の通りである。 メインレイヤー組成式(接頭文字なし) - 全てのInChIに現れる唯一のサブレイヤー元素はHill順位則、すなわち炭素C、水素H、他の元素をアルファベット順、で記述される 原子の繋がり(接頭文字: c) - 組成式中の水素以外の元素には出現順に番号が付与される。このサブレイヤーでは、原子が他のどの原子と結合されているかを記述する。 水素原子(接頭文字: h) - 各々の原子にいくつの水素原子が結合しているかを記述する。 電荷レイヤープロトンサブレイヤー(接頭文字: p)中性の系からプロトンを何個付加/除去するかを表す 電荷サブレイヤー(接頭文字: q)系の電荷を表す 立体化学レイヤー二重結合とクムレン(接頭文字: b) 原子の四面体配置とアレーン(接頭文字: t, m) 立体化学の種類の情報(接頭文字: s) 同位体レイヤー(接頭文字: i, h、同位体立体化学に対しては b, t, m, s) 固定Hレイヤー(接頭文字: f) - 原子の繋がり以外の、上記の一部または全てのレイヤーを含む。oサブレイヤーで終わってもよい。InChI生成で構造を正規化する際に水素は除去されるため、互変異性体や双性イオンなどは同じInChIを与える場合がある。これらを区別するために水素が結合している原子を明示的に与える必要がある。 再接続レイヤー(接頭文字: r) - 金属原子と再接続する全ての構造のInChIを含む。standard InChIには含まれない。 区切り文字と接頭文字のフォーマットは、使用者が特定のレイヤーのみ合致する識別子を探すために容易にワイルドカード検索を実施できる点で優位性がある。
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