フェラーリ・360モデナ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/02 05:00 UTC 版)
フェラーリ・360モデナ | |
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360モデナ
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オープンモデルのスパイダー
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概要 | |
販売期間 | 1999年 - 2005年 |
デザイン | ピニンファリーナ |
ボディ | |
乗車定員 | 2人 |
ボディタイプ | 2ドア クーペ 2ドア スパイダー |
駆動方式 | MR |
パワートレイン | |
エンジン | 3,586cc V型8気筒 40バルブ |
最高出力 | 400PS/8,500rpm |
最大トルク | 38.0kg·m/4,750rpm |
変速機 | 6速MT 6速セミAT(F1マチック) |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,600mm |
全長 | 4,477mm |
全幅 | 1,922mm |
全高 | 1,214mm |
車両重量 | 1,290kg(乾燥重量) |
その他 | |
最高速度 | 295km/h |
系譜 | |
先代 | F355 |
後継 | F430 |
フェラーリ・360モデナ(Ferrari 360 Modena)は、イタリアの自動車メーカーのフェラーリが1999年から2005年にかけて製造、販売したミッドシップレイアウトの2シータースポーツカーである。

概要
360モデナはF355の後継車種として登場。3.6Lエンジンを搭載することから「360」の名称が付いた。また「モデナ」はフェラーリが本拠地を構えるイタリアのモデナ県からきている。
ピニンファリーナ社のイタリア人デザイナー・ダビデ・アルカンジェリがデザインを担当した(ディレクターは奥山清行)。ダクト形状やドアノブは女性の爪をイメージしている。
フェラーリのラインナップの中ではエントリーモデル的存在であった。F355まで採用されていたトンネルバックスタイルは廃止され、360モデナからクーペモデルにはファストバックスタイルを採用。エンジンフードがガラス製になり、エンジンが透過できる。なお、バックしている途中にドアを開けると自動的にニュートラルに入るため、ドア開けバック走行は不可能である。
アルコア製のアルミニウム押し出し材によるオールアルミ製スペースフレームを採用し、外装もアルミ製である[1]。またF355から空力的にも大幅に進化しており、180mph(約290km/h)で、F355比で約4倍の180kgのダウンフォース量を発生する[2]。カタログデータによるトップスピードは295km/h、0-100km/hは4.5秒、0-400mは12.6秒である。
2005年に生産を終了し、後継車種のF430にバトンタッチした。モデナはクーペ版販売の時期がF1におけるスクーデリア・フェラーリの黄金期と重なり、当時の史上最多の販売台数を記録した。
歴史

製造年(1999年-2005年)
- 1999年 - 発表。同年から日本でもクーペの「360モデナ」「360モデナF1」の販売が始まった。
- 2000年 - フェラーリのオープンモデル20作目となるオープンカーの「360スパイダー」「360スパイダーF1」を追加。なおGTSはF355を最後に廃止されたため、設定されない。360モデナのスパイダー版という意味で「モデスパ」と呼ばれることもあるが、モデナはあくまでクーペの名称であり「360スパイダー」が正しいモデル名である。
- 2002年 - ヘッドライトの形状変更により、前年モデルまでの課題であった光が散らばる現象を克服
- 2003年 - 360チャレンジの公道仕様となるチャレンジ・ストラダーレの販売開始。
- 2005年 - 生産終了。
特徴・機構
日本での価格は1,758-2,026万円(最終モデル)で、左ハンドルのみの展開であった。ただし、オプションで右ハンドルを選択することも可能であった。
エンジンはF355の3.5L V8エンジンのブロックを延長し、ストロークを2mm拡大した、1気筒5バルブの3.6L V8エンジンをミッドシップに搭載する。このエンジンは、F355比で出力は20PS、トルクは1.3kg·m向上している。
トランスミッションもF355と同様、従来の6速MTと6速セミAT(F1マチック)を設定しているが、F1マチックには改良が施され、シフトダウン時にブリッピングが自動で行われるようになった[注釈 1]。F1マチック搭載車はステアリングのパドルで変速を行う。
走りを楽しみたいユーザーはTCU(トランスミッション・コントロール・ユニット)をチャレンジストラダーレのものに交換し、ノーマルよりブリッピングがスムーズに行われるようにするのも楽しみの一つである。交換により、クラッチの繋がりがスムーズになり、クラッチの消耗も遅めることができる。
「360スパイダー」「360スパイダーF1」はトンネルバックスタイルを採用している。コンバーチブルトップは独CTS社製で、7本の油圧シリンダーによりスイッチひとつで開閉することが可能である。横転時の安全対策として、シート後方には固定式のロールバーが備わる。
グレード一覧
グレード | 製造期間 | 排気量 | エンジン | 最大出力 | 変速機 | 駆動方式 |
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360モデナ | 1999年-2005年 | 3.6L | V型8気筒DOHC | 400PS/8,500rpm 38.0kg·m/4,750rpm |
6速MT | MR |
360スパイダー | 2000年-2005年 | |||||
360モデナF1 | 1999年-2005年 | 6速セミAT | ||||
360スパイダーF1 | 2000年-2005年 | |||||
チャレンジストラダーレ | 2003年-2005年 | 425bhp/8,500rpm 275lbs·ft/4,750rpm |
-
F1マチック車の運転席
-
チャレンジ・ストラダーレ(2003年)
モータースポーツへの参戦
2001年から、それまでのF355に代わり、360モデナがTeam JIM GAINERから全日本GT選手権(JGTC)に出場、2005年にSUPER GTに変更されてからも参戦した[注釈 2]。2008年に、後継車であるF430にその座を明け渡したが[注釈 3]、2009年に復活した。
フェラーリのワンメイクレースにはひと足速く、「360チャレンジ」の名称で2000年から投入されている。ちなみに車種の流れは348→F355→360→F430というもの。また、FIA GT選手権に参戦するプライベーターのために、360チャレンジをベースにしてNテクノロジーが作った「360N-GT」、それをベースにフェラーリとミケロットがさらに高度なモディファイを施した「360GTC」も存在する。
脚注
注釈
出典
関連項目
外部リンク
- フェラーリ社(伊)
フェラーリ ロードカータイムライン 1970年代-1990年代<- Previous Next -> | |||||||||||||||||||||||||||||||
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タイプ | 1970年代 | 1980年代 | 1990年代 | ||||||||||||||||||||||||||||
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | ||
FR | V12 | 365GTB/4 | 550マラネロ | ||||||||||||||||||||||||||||
2+2 | 365GTC/4 | 365GT/4・2+2 | 400 | 400i | 412 | 456 GT | 456M GT | ||||||||||||||||||||||||
MR | V6/V8 | ディーノ246 | 308 | 308QV | 328 | 348 | 348GTB/GTS | 360モデナ | |||||||||||||||||||||||
308 | F355 | ||||||||||||||||||||||||||||||
2+2 | ディーノGT4 | モンディアル | |||||||||||||||||||||||||||||
V12 | 365GT4BB | 512BB | 512BBi | テスタロッサ | 512TR | F512M | |||||||||||||||||||||||||
スペチアーレ | 288GTO | F40 | F50 |
フェラーリ ロードカータイムライン 2000年代-<- Previous | |||||||||||||||||||||||||||
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タイプ | 2000年代 | 2010年代 | 2020年代 | ||||||||||||||||||||||||
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||
FR | V12 | 550マラネロ | 575Mマラネロ | 599GTBフィオラノ | F12ベルリネッタ | 812スーパーファスト | 12チリンドリ | ||||||||||||||||||||
4シーター | 456M GT | 612スカリエッティ | GTC4ルッソT | ||||||||||||||||||||||||
V8/コンバーチブル | カリフォルニア | カリフォルニアT | ポルトフィーノ | ||||||||||||||||||||||||
V8/クーペ | ローマ | ||||||||||||||||||||||||||
MR | V8 | 360モデナ | F430 | 458イタリア | 488GTB | F8トリブート | |||||||||||||||||||||
4WD/4シーター | FF | GTC4ルッソ | |||||||||||||||||||||||||
4ドア4シーター | プロサングエ | ||||||||||||||||||||||||||
プラグインハイブリッド V8 | SF90ストラダーレ | ||||||||||||||||||||||||||
プラグインハイブリッド V6 | 296GTB | ||||||||||||||||||||||||||
スペチアーレ | エンツォフェラーリ | ラ フェラーリ/アペルタ | F80 | ||||||||||||||||||||||||
XXプログラム | FXX/Evo | 599XX/Evo | FXX K/Evo | SF90 XX | |||||||||||||||||||||||
イコーナ | モンツァSP1/SP2 | デイトナSP3 |
フェラーリ・360モデナ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 14:46 UTC 版)
「カウンタック (漫画)」の記事における「フェラーリ・360モデナ」の解説
シンちゃんの愛車でカラーはイエロー。セミATの360モデナF1のようである。LP400を執拗に煽り続けた結果、ドリフトでかわされてオービスの餌食に。
※この「フェラーリ・360モデナ」の解説は、「カウンタック (漫画)」の解説の一部です。
「フェラーリ・360モデナ」を含む「カウンタック (漫画)」の記事については、「カウンタック (漫画)」の概要を参照ください。
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