フェライトを使った磁気記録体の開発および日本初の磁気テープ作製
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 04:53 UTC 版)
「星野愷」の記事における「フェライトを使った磁気記録体の開発および日本初の磁気テープ作製」の解説
フェライトは酸化鉄を主成分とする複合酸化物で、東京工業大学の加藤与五郎教授の下で研究していた武井武助教授によって1930年(昭和5年)に発見され、幅広く工業化された磁性材料である。フェライトを応用した磁気テープや磁気ディスクなどの磁気記録媒体は、星野愷により日本で初めて本格的な研究が始められた。当時、武井武の研究グループのメンバーであった星野愷は、以前から磁気記録に興味を持っていた。磁気記録は、1898年デンマークの技師ポールセンによって最初の特許が出願された。このときの記録媒体には、鋼のワイヤーが使われていたため、性能が低く実用化には遠かった。磁気記録の性能が向上して、声の記録に使われるようになったのは、フェライトの一種である磁性酸化鉄の粉末をテープに塗布した記録媒体が出現してからである。星野は、1932年(昭和7年)にはすでにフェライトの円盤を使って磁気記録の研究を行った。1948年(昭和23年)には、日本最初の塗布型磁気テープを作製し、音声の記録を行った。これは、マグネタイト粉末を硝酸セルロースのバインダーに分散し、上質紙に塗布したものであった。星野はその後、ガンマ酸化鉄磁性微粒子を使うと記録特性が著しく向上することを見いだし、1951年(昭和26年)第8回電気化学協会(現電気化学会)大会で発表した。これは、日本最初の磁気記録媒体に関する研究発表であった。(東京工業大学百年記念館展示説明より)
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