フェニックスとの関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 08:54 UTC 版)
鳳凰は欧米では東洋のフェニックスともみなされ、英語では Chinese Phoenix 〔中国のフェニックス〕とも呼ばれている。過去の歴史においても現在のフィクションにおいても、フェニックスと鳳凰はしばしば相互に関連付けられたり、混同される。 以下のように中国の鳳凰は西洋のフェニックスとは本来別系統のものであり、特徴も異なる。ただし、ペルシア神話の「フマ」はフェニックスと鳳凰の中間的な性質をもち、ベンヌ〜フマ〜鳳凰は死と再生の象徴(政治的には新王朝の到来の象徴)として日の出を告げる鳥の神格化で、神話学的に同一起源である可能性が指摘されている。 ヘロドトスの『歴史』によればフェニックスの形態は鷲に近い(古代オリエントでは鷲は太陽に結びつけられた)のに対して、鳳凰は孔雀に近い見た目をしている。ただし、鳳凰にしろフェニックスにしろ、こうした図像の多くは後世のものである。古代ギリシア・ローマのフェニックスの直接的なルーツと考えられている古代エジプトの霊鳥ベンヌは、サギのような水鳥に近い外貌であった。 フェニックスは雄のみで単性生殖をするのに対して、鳳凰は雌雄の別があり卵も産むとされた。しかし鳳凰は本来一つの語であったと考えられており、二文字の単語を一文字ずつに分けて一方は何々、他方は何々と説明するのは中国ではありふれた語源俗解であり、鳳が牡で凰が牝などというのは後付けの説明である。
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