フェデックスカップとは? わかりやすく解説

フェデックスカップ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/01 21:29 UTC 版)

フェデックスカップ(FedEx Cup)は男子ゴルフPGAツアーのシリーズトーナメントの名称。2005年11月に発表され、NASCARカップ・シリーズ同様、ポイントで年間の総合優勝を争う。フェデックスがスポンサーである。

レギュラーシーズン

ザ・セントリー(1月)からウィンダム選手権(8月)までがレギュラーシーズンとなり、選手は各大会での最終順位に応じてFedEx Cupポイント(以下:ポイント)を獲得する。なおカットラインに届かず各大会の最終日までプレーできなかった場合は原則0ポイントとなる[1]

各大会の優勝ポイントは、通常の大会では500(4500)ポイント。ただしメジャー選手権(4大会)とプレーヤーズ選手権は750(4950)ポイント、シグネチャーイベントは700ポイント加算される。また、チューリッヒ・クラシックのみ400点、全英オープンとシグネチャーイベントの同週に行われるPGAツアーについては300点となる。※括弧内は2007-2008年のポイント配分

レギュラーシーズン終了後、ポイント上位選手にはボーナス賞金(1位は800万米ドル)が授与される[2]。ポイント上位70位までの選手がフェデックスカップ・プレーオフに進出し、同時に翌シーズンのPGAツアーシード権を獲得する。2017-18シーズン以後、フェデックス杯の最終戦「ザ・ツアーチャンピオンシップ」の優勝者がそのままフェデックスカップ総合優勝、並びにPGA賞金王を同時に得られることができるようになった。

プレーオフ

トロフィー

フェデックスカップ・プレーオフからサバイバルとなる。シリーズは下記3大会で構成され、第1戦・第2戦では大会終了時点でのポイント下位選手を段階的にカットアウトしていき、上位選手のみが次戦へ進む。最終戦の『ツアー選手権』でシーズン総合優勝が決定される。なお2017-18シーズンまで『デルテクノロジーズ選手権』(旧ドイツ銀行選手権)も含まれていた。

大会 出場資格 カットライン 優勝ポイント
フェデックス・セントジュード選手権 ポイント70位まで なし 2000
BMW選手権 ポイント50位まで
ザ・ツアーチャンピオンシップ
(ツアー選手権)
ポイント30位まで -

第2戦まではレギュラーシーズン大会の数倍のポイントが与えられ、ランキング大幅アップのチャンスがある。最終戦の『ツアー選手権』では、第2戦までのポイントランクに応じて初日スタート時のスコアに最大10ストローク差を付けた状態[3]からプレーし、同大会優勝者が自動的にフェデックスカップ総合優勝となる[2]。なお総合優勝者にはフェデックス提供のトロフィーとボーナス賞金2500万ドル、および5年間のPGAツアーシード権が与えられる。

なお、2017-18シーズンまではツアー選手権の優勝者がプレーオフシリーズ総合優勝者とは限らないルールとなっていた。

プレーオフのポイントリセットについて

2007・2008年はレギュラーシーズン最後のウィンダム選手権後にリセットされた。それまでのポイント1位を10万点とし2位以下には数百点差をつけてスタートした。この方式で行われた2007年にはザ・バークレイズやドイツ銀行選手権に欠場した上位の選手がいた。2007年のタイガー・ウッズはBMW選手権とツアー選手権連勝で総合優勝を果たした。逆に2008年のビジェイ・シンはザ・バークレイズとドイツ銀行選手権連勝で勢いをつけ総合優勝した。この年2位だったカミロ・ビジェガスはBMW選手権とツアー選手権を連勝したが及ばなかった。

そのため2009年からはポイントリセットのタイミングを最終戦のツアー選手権とし、それまでのポイント1位を2500点とし上位5位までの選手はツアー選手権に優勝すれば、総合優勝できるようになった。その2009年のツアー選手権はフィル・ミケルソンが優勝したが、彼はリセットの時点のポイントランキングが6位だったため、この大会2位だったタイガーウッズがミケルソンをしのぎ総合優勝した。[4]

歴代総合優勝者

Year Winner Score/
points
Margin Playoffs Regular season
Events Wins Ranking Points Events
2024 スコッティ・シェフラー
2022–23 ビクトル・ホブラン −27 5 strokes 3 2 7 1,795 20
2021–22 ローリー・マキロイ (3) −21 1 3 1 6 2,104 13
2021 パトリック・カントレー −21 1 3 2 3 2,056 21
2019–20 ダスティン・ジョンソン −21 3 3 3 15 1,071 11
2018–19 ローリー・マキロイ −18 4 3 1 5 2,842 18
2017–18 ジャスティン・ローズ 2,260 41 4 0 4 1,991 14
2016–17 ジャスティン・トーマス 3,000 660 4 1 2 2,689 21
2015–16 ローリー・マキロイ 3,120 740 4 2 36 973 14
2014–15 ジョーダン・スピース 3,800 1,493 4 1 1 4,169 21
2013–14 ビリー・ホーシェル 4,750 1,650 4 2 69 722 23
2013 ヘンリク・ステンソン 4,750 2,007 4 2 9 1,426 14
2012 ブラント・スネデカー 4,100 1,273 4 1 19 1,194 18
2011 ビル・ハース 2,760 15 4 1 15 1,273 22
2010 ジム・フューリック 2980 252 3 1 11 480 18
2009 タイガー・ウッズ 4,000 1,080 4 1 1 3,341 13
2008 ビジェイ・シン 125,101 551 4 2 7 15,034 19
2007 タイガー・ウッズ 123,033 12,578 3 2 1 30,574 13

フォールシリーズ

かつてツアー選手権終了後、7試合で構成されるフォールシリーズが行われていた。ツアー選手権に出場した30名は自動的に来シーズンの出場権を獲得するため、残りのシード枠(31位~125位)をかけた争いとなっていた。2013シーズンからはウェブドットコムツアーでファイナルズがスタートしたのと、新年度のツアーが9月からの1年間の起終点に改められたため、この制度は廃止された。

2024シーズンからフェデックスカップフォールとして再始動。ZOZO CHAMPIONSHIPも対象。

実施の背景

例年ツアー選手権が開催される11月は、アメリカスポーツ界が最も賑わう時期でもある。アメフト(特に大学リーグ)、更にはメジャーリーグ(野球)のプレーオフなど「主流」スポーツにファンの興味は注がれ、ゴルフ界活性化のためにも「最終戦の時期はずらすべきだ」と多方面で議論されてきた。また例年の賞金王レースでは、早々に賞金王が決定してしまうと、シーズン終盤の興味がそがれることもあり、従来の賞金王レースに加えて、新しいシステムの導入の機運が高まり、フェデックスをスポンサーに迎え、新たにポイント制による新たな制度を導入することとなった。  このフェデックスカップは日本ツアーにも大きな影響を与える見解があり、というのもツアー選手権に出場した30名はツアー選手権後、実質オフシーズンに突入するが、この時期日本ツアーは高額賞金がかかったビッグトーナメントが開催されており、世界の強豪が日本ツアーでひと稼ぎすべく、大挙して出場する可能性がある。

脚注

  1. ^ At&Tプロアマなど例外あり。
  2. ^ a b 今年は年間王者が一目瞭然!PGAツアー「FedEx(フェデックス)カップ プレーオフシリーズ」の仕組みと変更点を解説”. ゴルフネットワーク (2019年7月30日). 2020年8月28日閲覧。
  3. ^ ポイント1位が-10、2位が-8、3位が-7、・・・、26位から30位がイーブンパー、といった差を付けた状態でスタートするハンデ戦となる。
  4. ^ プレーオフ最終戦勝者が年間王者に PGAツアーがポイントレースを大幅見直しか”. ゴルフダイジェストオンライン (2018年8月30日). 2020年8月28日閲覧。

関連項目

外部リンク


「フェデックス カップ」の例文・使い方・用例・文例

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