ビートルズ・バージョン
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「ナウ・アンド・ゼン (ジョン・レノンの曲)」の記事における「ビートルズ・バージョン」の解説
1994年に「ザ・ビートルズ・アンソロジー」プロジェクトの一環として、マッカートニー、ハリスン、スターの3人は新曲をレコーディングをすることを計画した。それにあたり、マッカートニーはオノ・ヨーコよりレノンが遺した本作と「フリー・アズ・ア・バード」「リアル・ラヴ」「グロー・オールド・ウィズ・ミー」の4曲のデモテープを受け取った。 1994年2月、3人はプロデューサーにジェフ・リンを迎え、レノンが遺したデモ・テープを基に新曲の制作を開始。作業はサセックスにあるマッカートニーの自宅スタジオ「ザ・ミル」で行われた。このセッションで完成した「フリー・アズ・ア・バード」が『ザ・ビートルズ・アンソロジー1』、「リアル・ラヴ」が『ザ・ビートルズ・アンソロジー2』に新曲として収録され、続く『ザ・ビートルズ・アンソロジー3』に本作が収録される予定だった。1995年3月20日と21日に本作のための作業が行なわれたが、最終的に破棄されることとなった。 楽曲のプロデュースを手がけたジェフ・リンは、本作について「『ナウ・アンド・ゼン』は、ある日の午後にトライした曲だ。この曲のコーラスはできていたけど、そこに繋がるヴァースがほとんどできていなくて、僕らはどうにかしようとしたけど完成することはなかった」と語っている。レノンが遺したデモ・テープには雑音が入っており、完全に雑音を消去することができなかったことも理由とされている。その代替として『ザ・ビートルズ・アンソロジー3』には、ジョージ・マーティン作のインストゥルメンタル「ア・ビギニング」が収録された。 1997年に発行された『Q』誌でマッカートニーは、本作の作業について「ジョージが気に入っていなかった。ビートルズは民主主義だから、僕らはやらなかった」と語っていて、2006年にも「元のタイトルは良いとは言えなかった。少し手を加える必要があったけど、美しいヴァースとそれを歌うジョンの声が入っていたよ。でもジョージはこの曲をやることを望んでいなかった。最も良い方法はジョンともう一度取りかかるほかなかったからね。ヘッドフォンでジョンが歌っている声を聴くと、隣の部屋にジョンがいるようだった。実現しない夢のようなものだよ」と語っている。 1995年のセッションに参加していたスタッフの1人は、「ジョージがやりたくなかった理由は、この曲にボーカルを多重録音したり、ベースやドラムを少し重ねて完成というものではなく、ジョンが作ったわずかなパートを基にほとんど1曲を作り上げることだったからだ」と語っている。
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