ビデオゲームのファン翻訳
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 16:17 UTC 版)
「ファン翻訳」の記事における「ビデオゲームのファン翻訳」の解説
詳細は「:en:Fan translation of video games」を参照 ビデオゲームのファン翻訳は、1990年代後半のビデオゲームコンソールエミュレーションの台頭とともに成長し、現在でもレトロゲームに大きく焦点が当てて行われている。ゲームのファン翻訳は通常、元のゲームのバイナリファイルを新しいバイナリに変更する非公式パッチ(英語版)として配布される。 Vazquez-Calvo (2018)は、複雑なファン翻訳の手法や企業へのコンテンツ翻訳の交渉、そしてそれを受けての翻訳のネット上での配布が言語学習の環境を豊かにする例について、"The Online Ecology of Literacy and Language Practices of a Gamer"で提示している。ファン翻訳プロジェクトは、ファン翻訳版ゲームがプレイ可能となることを約束した上でファンによって企画され、開発者から外部委託される。専門的な翻訳、ローカライズが非常に必要とされている一方で、企業や開発者の側が大規模な多言語ローカライズに対応できるほどの予算を用意できない場合も実態としてある。たとえば、同人ゲームのシリーズである『東方Project』の場合、原作者のZUNは、IGNの今井晋とのインタビューの中で、Steam向けに他言語版を用意しなかった理由として、次のように語っている: .mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0}「一度、やろうとしたんですが、なかなか作業時間がとれなくて、だからもう有志の人が翻訳しているものが結構あるので、そっちでいいのかなっていう。」 —ZUN また、今井から非公式の翻訳にお墨付きを与えればよいではないかと尋ねられた際、ZUNは「そういうわけにいかないんですよね。結局、僕もどこかの翻訳業者に出すわけだから、その人がわかっていないと言われかねない。[後略]」と回答している。 また、元ゲームの言語を理解できるが、別の言語でもゲームをプレイしたいと思っているファンも存在する。例として、開発者の許可を得て、ゲームを英語からカタロニア語に翻訳したカタロニア語ゲーマーのグループが挙げられる。彼らの言語活動によって、彼らは自分たちの言語コミュニティに貢献するだけでなく、興味深い言語イデオロギーを描き、異文化、言語間のファン翻訳によって促される言語学的議論と言語学習の場を形成している 。
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