ヒトの平衡感覚
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/19 23:57 UTC 版)
平衡感覚は内耳の前庭で受容される前庭感覚 vestibular sensation と同義に考えられることが多いが、体の平衡には前庭感覚の他に深部感覚や皮膚感覚、また殊に視覚が重要に作用する。前庭器系、視器系、深部感覚系の3系統が有機的に働き、前庭眼反射回路、眼運動反射回路、深部感覚運動系、自律神経系反射系が、脳幹、小脳、大脳、視床下部その他の感覚器官と連携することで平衡感覚の機能が維持されるといわれている。 前庭には角加速度を受容する三半規管(骨半規官)と直線加速度を受容する球形嚢、卵形嚢がある。いずれも二重の嚢構造をもち、外側の嚢は外リンパ、内側の嚢は内リンパで満たされている。内リンパ嚢には刺激を受けやすい受容器があり、受容細胞は聴器の蝸牛と同様に有毛細胞である。一次求心神経は内耳神経(第VIII脳神経)のうちの前庭神経で、これが橋・延髄の前庭神経核に入り、ここからの出力は脊髄、眼筋運動ニューロン、小脳、網様体、視床・大脳皮質、視床下部へと複雑に分枝するが、ほとんどが反射的調節に寄与する。
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