ヒトの尻の解剖学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 14:03 UTC 版)
ヒトにおける尻は、おおむね胴の前面より見た場合の臍より下、一般に下腹部と呼ばれる部位の背面に相当する。下肢に接続する筋肉や皮下脂肪層により、顕著に肉が盛り上がっていることが多い。腰骨(骨盤)と大腿骨が接続する股関節部分を覆うようにあり、その支持のための大殿筋(だいでんきん)が尻の盛り上がりの主となる。これら左右の盛り上がりの中央に溝が走る。これを臀裂(臀間裂、肛門裂)という。臀裂の谷間の中央部に、排泄器官である肛門が存在する。また、臀部の盛り上がりの下方と大腿部の境界の部分(直立すると谷間ができて明確になる)を臀溝という。やや上方かつ側面には中殿筋(ちゅうでんきん)がある。大殿筋は股関節の伸展など、中殿筋は外転、屈曲などの際によく働く。足を用いた運動および胴を支えるには欠かせない部分である。これら筋肉の内部には坐骨神経や血管などが走る。臀裂部分上方には尾の名残である尾骨があり、下方から肛門を経て腹側に辿っていくと会陰、外性器と続く。会陰は通常は股に含まれる。相互規定的ではあるが、背面における股と腰の中間が尻であるとおおむね定義できる。 アジア人(モンゴロイド)の新生児および乳幼児期には、蒙古斑がみられることがある(まれに青年期や大人でも消えない場合がある)。「尻が青い」の成句はここからきたといわれる。蒙古斑のことを知らないヨーロッパ人などがアジア人の乳幼児の尻を見てアザだと思い込み、虐待されていると早とちりすることがある。
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