平衡感覚への影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/02/05 12:14 UTC 版)
ヒトの場合、平衡感覚に関係しているのは、内耳だけではないが、それでも内耳は、平衡覚と回転覚を感知する感覚器として重要な地位にある。一般的なヒトの平衡感覚は、内耳が正常に機能していることを前提として成り立っているわけだが、内耳炎が起こると、当然のように内耳の機能は正常ではなくなり、結果として平衡感覚に異常が発生する。しかしながら、ヒトにとって音を音として感知したことを脳へと伝えることができる感覚器、つまり、音による振動を直接電気信号に変換できる場所として、内耳は唯一無二の器官であるのに対して、ヒトの平衡感覚は、内耳以外にも視覚、皮膚感覚、筋肉や関節などの動きの状態などなど、様々な場所からの情報を脳で統合することによって成り立っている。このために、内耳が完全にその機能を失った場合、聴力は完全に失われて失聴となるが 、平衡感覚は内耳からの情報が得られないことを前提に再構成され得るため、平衡感覚が失われることはない。無論、この再構成には時間がかかるので、その間、平衡感覚に混乱が起こってめまいなどが発生するのである。
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