バルト海での緊急事態
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/06 08:13 UTC 版)
「U557 (潜水艦)」の記事における「バルト海での緊急事態」の解説
U-557は就役後の4か月をケーニヒスベルクを拠点にバルト海で過ごした。この間、U-557は航行中の事故に見舞われ、その間に搭乗員1名が死亡した。ヘルベルト・ヴェルナーはこの事故を彼の本の中で図式的に説明している。彼は、バルト海での定期航行において、船体が制御不能に陥る緊急事態が発生したと語っている。 最初に深度142mで潜航中に船尾にて異常が発生した。船体は大量の浸水により、バッテリーから有毒な塩素ガスが漏れ、爆発の可能性も伴う非常に危険な状態となった。船尾から船首に重量の一部を移すため、搭乗員はバケツリレーにて海水を船首へと運んだ。何時間にも及んだ作業の後、船首が海底に接触した。しかし、水の重さ(約40トン)により浮上出来ず、圧縮空気の供給を使い果たしたU-557は、海底に留まった。乗組員は機関長の指示の下、船尾と船首を素早く行き来することにより、船体を揺り動かした。潜水艦はやがて航行可能となり、20時間後に浮上し、キールに向けて出航した。
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