バイパスコンデンサの強化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/23 05:08 UTC 版)
「カツ入れ」の記事における「バイパスコンデンサの強化」の解説
CPUなどの半導体部品は、ずっと同じ電流を使い続けるのではなく、必要に応じて消費電流が変動する。この電流変化に対応し、部品の出力波形を安定させるためには、電源ピンの近くにコンデンサを置くことが極めて望ましい。これをバイパスコンデンサと呼び、略してパスコンと通称する。電流のタンクと考えると分かりやすい。以前は性能の良いコンデンサが少なかったため、タンタルコンデンサを多用するケースがあった。しかしこれはショートモードで故障するコンデンサであり、極性を間違えて電源を投入すると、青や紫の炎とともに異臭を発して破裂する。最悪の場合は破片が飛び散ったり、基板がえぐれたりする。さらに厄介なことに、普通の電解コンデンサではマイナス極性の方にマーキングがしてあるが、普通のタンタルコンデンサはプラスの方にマーキングがしてある(このため、本末転倒ではあるが、逆挿対策のフューズ入りタンタルコンデンサが発売された。裏を返せば、そこまでタンタルコンデンサを使い続けるということは、特性が良かったということになる)。 後にOSコンのような、電解液によるイオン電導ではなく電子電導を行う固体高分子コンデンサが出現したため、このあたりの状況は一変した。これらのコンデンサは、容量が同じならサイズが大きくなるが、電解コンデンサと比べESRが劇的に改善されているため、必ずしも同じ容量のものを使う必要はない。それ以前に、マザーボードの設計者がどこまで真剣に容量を検討したかが疑問である。このコンデンサに関する手法は、特に安くて質の悪いコンデンサが付いているマザーボードの場合、現在でも十分通用する方法である。余談だが、OSコンは逆電圧にも強い。
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