ハーメネイーによる解任
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「エスファンディヤール・ラヒーム・マシャーイー」の記事における「ハーメネイーによる解任」の解説
2009年7月18日、最高指導者アリー・ハーメネイーはマシャーイーに辞任を命じた。議会の第二副議長モハンマド・ハサン・アブートラービー・ファルドが7月21日、「マシャーイーを枢要な第一副大統領の地位から排除することは体制の戦略的決定である。マシャーイーの第一副大統領解任に関する最高指導者の見解は、すでに文書で大統領に送付された。大統領はいかなる遅滞もなく、マシャーイーの罷免もしくは辞任を発表しなければならない」と述べたと報ぜられている。 しかしながら、アフマディーネジャードの先任補佐官は「第一副大統領任命を不可とする明確かつ説得力ある理由を誰からも聞かされていない。不適切な発言があったという人もいるが、誰にでも誤りはあるものだ」とし、「マシャーイー任命という決定が見直されることはないだろう」と発言したと伝えられている。この見解は後に撤回されている 閣内でも情報相ゴラームホセイン・モフセニー・エジェイーおよび文化イスラーム指導相モハンマドホセイン・サッファール・ハランディー(英語版)を含む複数の閣僚は、マシャーイーの任命を巡ってのアフマディーネジャードとの議論の途上、閣議から退出する事態となっている。 7月22日、アフマディーネジャードは、マシャーイーが新たな地位に就くために観光担当副大統領から退任すると肯定的な形で発表。「私は1000の理由でラヒーム・マシャーイーが好きである。ラヒーム・マシャーイーと知り合えたことは、我が人生における最大の栄誉であり、私への最大の神の恩寵の一つである。……彼は純粋な泉のようである。彼を好む理由の一つは、座して共に語るとき、距離を感じさせないということだ。まるでくもりない鏡のようなのだ。しかし残念ながら、多くの人々は彼をしらない」と述べている。 しかし7月24日までには、政治的にこのような立場は維持できなくなっており、最高指導者ハーメネイーの命令に従って、マシャーイーは第一副大統領を辞任した。 複数のアナリストは、強硬派が反対したのは、イスラエルに関しての発言が原因であるとした。また共和国の建国者ルーホッラー・ホメイニーが非合法化した秘密組織ホッジャティエ(英語版)の一員であって、アフマディーネジャードもまたこれに繋がっていると見る向きもある。これらの見解がどれだけ事実に基づくものかは不明瞭である。体制に不満を持つ者たちに普通ではない宗教的つながりがあるという怪しげな噂は、イランでは知られていた。 最高指導者は通常、政府官職人事に公然と介入することはない。マシャーイーの解任を要求することで、ハーメネイーは効果的に新たな権限を手にしたとする見解がある。しかしながら、憲法第131条は最高指導者が許諾した場合のみ大統領不在の際に第一副大統領が大統領職務を代行できると規定している。
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