ハーセプチン
がん遺伝子「HER2」を標的とする分子標的治療薬。HER2タンパクが過剰に生じた乳がんの治療薬として有効とされる。
「ハーセプチン」の名称は中外製薬の商品名であり、米国Genentech社の商標である。一般名は「トラスツズマブ」という。
乳がんにはHER2の過剰発現を伴う場合と、過剰発現を伴わない場合がある。ハーセプチンを投与するかどうかを判断するために検査を行う必要がある。
ハーセプチンは、乳がんの状況によっては他の抗がん剤と併用される場合がある。また、ハーセプチン投与による主な副作用としては、寒気や発熱などがあるという。
関連サイト:
ハーセプチン(一般名 トラスツズマブ) - がんサポート情報センター
ハーセプチン
ハーセプチン
ハーセプチン(一般名トラスツヅマブ)は、HER-2(細胞の表面にあたるたんぱく質の一種で、細胞の増殖を促す受容体)が多くある乳がんに用いられる分子標的薬です。日本では2001年6月から健康保険適応で使用できるようになった比較的新しい薬で、進行・再発乳がんに用いられます。HER-2受容体が多い乳がんは、乳がん全体の2割と言われていますが、がん細胞の増殖の速度が速く、転移しやすいという特徴があります。ハーセプチンの登場により、進行・再発乳がんの治療効果が格段に上がりました。
ハーセプチンはHER-2受容体の多さによって効き目が変わります。HER-2受容体が少ししかない場合は殆ど効きませんので、必ずHER-2受容体の数を調べてから使われます。ハーセプチンは、1週間に1回静脈点滴するのが標準的な治療法です。副作用は、抗がん剤に比較して、軽いとされています。
トラスツズマブ
(ハーセプチン から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/17 09:38 UTC 版)
トラスツズマブ(英: Trastuzumab)はヒト癌遺伝子HER2/neu(c-erbB-2)の遺伝子産物であるHER2蛋白に特異的に結合する事で抗腫瘍効果を発揮する抗がん剤。癌の増殖などに関係する特定の分子を狙い撃ちする分子標的治療薬の一種である。
- ^ “日本化薬、バイオ後続品を承認申請 乳がん・胃がん治療用”. 日本経済新聞 (2017年4月11日). 2019年8月17日閲覧。
- ^ “中外製薬、日本化薬への特許侵害訴訟を放棄”. 日本経済新聞 (2018年4月11日). 2019年8月17日閲覧。
- ^ “中外、第一三共とファイザーへの特許侵害訴訟を放棄”. 日本経済新聞 (2019年10月31日). 2019年8月17日閲覧。
- ^ 中村清吾『ベスト×ベストシリーズ 名医が語る最新・最良の治療 乳がん』株式会社法研、2011年、172ページ、ISBN 978-4-87954-845-0
- 1 トラスツズマブとは
- 2 トラスツズマブの概要
- 3 効能・効果
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