薬剤治療
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/09 14:26 UTC 版)
「受容体型チロシンキナーゼ」の記事における「薬剤治療」の解説
RTKはがん、変性疾患、心血管疾患などさまざまな細胞の異常に関与しているため、薬剤治療の魅力的な標的である。アメリカ食品医薬品局(FDA)は、RTKの活性化によって引き起こされるがんに対する抗がん剤をいくつか承認している。薬剤は細胞外ドメインや触媒ドメインを標的として開発され、リガンド結合や受容体のオリゴマー化を阻害する。ハーセプチンはRTKの細胞外ドメインに結合するモノクローナル抗体であり、乳がんでのHER2の過剰発現の治療に用いられている。 FDAに承認された、がん治療のためのRTKに対する低分子阻害剤とモノクローナル抗体薬剤標的疾患承認年イマチニブ(グリベック) PDGFR, KIT, Abl, Arg 慢性骨髄性白血病、消化管間質腫瘍 2001 ゲフィチニブ(イレッサ) EGFR 食道がん、神経膠腫 2003 エルロチニブ(タルセバ) EGFR 食道がん、神経膠腫 2004 ソラフェニブ(ネクサバール) Raf, VEGFR, PDGFR, Flt3, KIT 腎細胞がん 2005 スニチニブ(英語版)(スーテント) KIT, VEGFR, PDGFR, Flt3 腎細胞がん、消化管間質腫瘍、膵内分泌腫瘍 2006 ダサチニブ(スプリセル) Abl, Arg, KIT, PDGFR, Src イマチニブ耐性慢性骨髄性白血病 2007 ニロチニブ(タシグナ) Abl, Arg, KIT, PDGFR イマチニブ耐性慢性骨髄性白血病 2007 ラパチニブ(タイケルブ) EGFR, ErbB2 乳がん 2007 トラスツズマブ(ハーセプチン) ErbB2 乳がん 1998 セツキシマブ(アービタックス) EGFR 大腸がん、頭頸部がん 2004 ベバシズマブ(アバスチン) VEGF 肺がん、大腸がん 2004 パニツムマブ(ベクティビックス) EGFR 大腸がん 2006
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