ハロゲン化アルキルとマグネシウムの反応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/03 04:29 UTC 版)
「グリニャール試薬」の記事における「ハロゲン化アルキルとマグネシウムの反応」の解説
一般的なグリニャール試薬はハロゲン化アルキルとマグネシウムの反応で調製される。これは以下のように行なう。 良く乾燥し不活性ガス(窒素、アルゴン)で置換した反応容器にマグネシウムを入れる。ここで撹拌してマグネシウムを少し破砕しておくとグリニャール試薬の生成がスムーズになる。 ここにマグネシウムが浸る程度のエーテル系溶媒を加える。多くの場合ジエチルエーテルかテトラヒドロフランが使用される。 ヨウ素や1,2-ジブロモエタンといった活性化剤を少量添加して加熱、撹拌する。これらの活性化剤はマグネシウム表面の酸化物の皮膜を溶解させて活性化する。 少量のハロゲン化アルキルのエーテル溶液を添加し撹拌する。多くの場合、反応溶液は一旦濁った後、グリニャール試薬の生成に伴う急激な温度の上昇を伴って黒色から褐色の透明な溶液になる。グリニャール試薬の生成は自触媒反応であるとされており急激な反応となる。そのためグリニャール試薬の生成に伴う発熱が起こる前に、ハロゲン化アルキルを多く加えすぎているとグリニャール試薬の生成が起こった際の発熱が大きすぎて反応が暴走し、あたりに反応溶液が撒き散らされる結果となってしまう。 残りのハロゲン化アルキルのエーテル溶液を適切な反応温度を保つスピードで滴下していく。 マグネシウム片をフラスコに入れる。白いものは攪拌子。 溶媒を入れ、活性化のためヨウ素の小片を加える。 アルキルハライドの溶液を滴下する。 滴下終了後、しばらく加熱を続ける。 グリニャール試薬の生成が完了。少量のマグネシウムが未反応のまま残っている。 次の反応に備え、溶液を冷却する。グリニャール試薬が白色固体として析出している。 カルボニル化合物の溶液を滴下する。 滴下終了後、溶液を室温まで温める。付加反応は完了しており、このあと加水分解を行う。
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