ハイエンドプロセッサの経済
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/01/30 13:41 UTC 版)
「CPU設計」の記事における「ハイエンドプロセッサの経済」の解説
新たなハイエンドCPUの開発には、多大なコストを要する。論理的複雑性(論理設計および論理検証に大人数が必要であり、シミュレーションにも多数のコンピュータを利用する)と高い動作周波数(大規模な回路設計チームを必要とし、最新の製造プロセスを利用する必要がある)によって、この種のチップの設計は高くつくことになる。ハイエンドCPUの設計コストは1億ドルのオーダーになる。ハイエンドCPUの設計には約5年を要するため、他社との競争力を維持するには最低でも2つの開発チームを並行して運営する必要がある。これはPC向けよりも高性能なレンジであったワークステーション向けプロセッサの市場のほうが参考になるかもしれない。出荷数で見れば少ないが、より利幅の大きい市場としてワークステーション向けプロセッサの市場は存在していた(そして、最終的には消滅した)。 例えば、アメリカでのコンピュータ技術者1人を雇用するのにかかるコストは一年で25万ドルと言われている。これには、給料だけでなく、各種手当て、CADツール、コンピュータ、オフィススペースの賃貸料などが含まれる。100人の技術者でCPUを設計し、4年かかるとすると、総コストは1億ドルになる。これは単なる一例である。実際の設計チームは最近では数百人と言われている。 2004年現在、最新技術を使った汎用コンピューティング向けCPUを設計しているのは、4社だけになっている(インテル、AMD、IBM、富士通)[要出典]。モトローラは、金食い虫と化していた半導体部門をフリースケール・セミコンダクタとしてスピンオフさせた。他社からCPU設計を請け負っている企業として、GLOBALFOUNDRIES、テキサス・インスツルメンツ、TSMC、東芝がある。
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