ノッキング対策
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/16 02:27 UTC 版)
誉はもともと、エンジンに出力の制限を強いるノッキングへの対策としてオクタン価100のハイオクタンガソリンの使用を想定していた。しかし、当時の日本は100オクタンガソリンや潤滑性能の高い鉱物系潤滑油の供給はほぼ全てをアメリカを筆頭とした輸入に頼っていた。そのため、インドシナ進駐以降の日米関係の悪化による航空機用ガソリン類の禁輸により、100オクタンガソリンや高性能潤滑油自体が入手困難となった。そのため、当初から低オクタン価ガソリンでのノッキング対策を考慮しており、水とメタノールの混合液を吸気経路内に噴射(一二型以降は過給機の翼車内から噴射)する装置を搭載できるようになっていた。この水メタノール噴射装置には吸気を冷却してシリンダー内に入る混合気の量を増やす(体積効率を上げる)効果とともに異常高温によるノッキングを防ぐ効果があるため、91オクタンガソリンと併せて使用することで理論上は100オクタンガソリンと同様の効果を得られると見込まれた。 他にも低オクタンガソリンで運転した場合の異常高温対策として、点火プラグの熱価の向上(プラグの放熱を促進することによる早期着火の防止)、燃料分布の改善なども順次行われていった。
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