ネマティック液晶
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/10 14:13 UTC 版)
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ネマティック液晶(ネマティックえきしょう、Nematic Liquid Crystal)とは液晶の一種である。すなわち、その構成分子が配向秩序を持つが、三次元的な位置秩序を持たない液体である。配向方向は、配向子(Director)と呼ばれる単位ベクトル n によって表される事が多い。実験的に、巨視的なネマティック液晶の対称性はである事が知られているので、構成分子は n を軸に自由回転をしており、また向きに関しては上向きと下向きを50%ずつ含むことが結論される。
配向度
構成分子が全て n の方向を向いているのが理想的であるが、実際の ネマティック液晶の構成分子は n の方向からある程度熱揺らぎをしている。 この熱揺らぎの度合いは秩序因子(Order Parameter)すなわち巨視的な系の物性値異方性 と絶対温度T→0における巨視的な系の物性値異方性 との比
により評価することができる(例えば、磁化率のような異方性を示す物性は、いずれも配向度の評価に用いることができる。また、は、分子物性値異方性を用いてと表すことができる。Nは系を構成する分子の総数であり、S は分子が配向子 n の方向にどれほど良く整列しているかの目安となる量である。全ての分子が n と平行なら S = 1であり、分子の熱揺らぎが大きくなると S は0に近づく。)
今、分子の n からの揺らぎ角を θ とすると、 と書き換えることができる。ここで<>は統計力学的な平均である。よって S は、微視的な分子の揺らぎ角を用いて
と書くことができる。
ネマチック液晶(N液晶)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/11 16:51 UTC 版)
ネマチック液晶は棒状分子の向きが平均して同一方向に揃っており、分子の重心秩序はまったくランダムな中間相である。ネマチック液晶は、普通の液体と同様の流動性がある。通常のネマチック相では分子の頭尾の向きには規則性はなく、また分子の配向方向に垂直な面内では分子の向きはランダムである。N液晶となる分子には極性を持つ物も多いが、一般的なN液晶は非極性である。 「ネマチック」という名称はギリシア語の「糸」に由来し、ネマチック液晶を顕微鏡で観察すると、糸状の構造が見られることからフリーデルが命名した。分子の平均配向方向は文字nで表記され、配向ベクトル(Director)と呼ばれている。非極性であるので物理的にn=-nであることから、ベクトル表記はされない。棒状分子が1方向に並んでいるので配向ベクトル方向とそれと垂直方向では、屈折率や誘電率が異なっている。N液晶は光学的1軸性物質で、棒状分子のN液晶は正の1軸性である。誘電率については、分子構造により、正の異方性のものも、負の異方性のものも存在する。 ネマチック液晶には流動性があり、液体と同様に形態変化しても元の形には戻らない。しかし、配向ベクトルの空間分布に関しては、全体で一様である方がエネルギー的に有利であるため、与えられた条件下で変形のエネルギーが最小となるような空間分布となる。ただし、局所的な配向変化を安定状態に引き戻す復元力は小さいため、外部電場の印加により容易に配向ベクトル方向を変化できる。電場印加後は復元力により自動的に電場印加前の状態へと復帰する。これを利用したのが液晶ディスプレイである。
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