ニューロメモリスタ・システム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 02:17 UTC 版)
「ニューロモルフィック・エンジニアリング」の記事における「ニューロメモリスタ・システム」の解説
ニューロメモリスタ・システム(neuromemristive systems)は、神経可塑性(英語版)を実現するためにメモリスタの使用に焦点を当てた、ニューロモルフィック・コンピューティングシステムのサブクラスである。ニューロモルフィック・エンジニアリングが生物学的行動の模倣に焦点を合わせているのに対し、ニューロメモリスタ・システムは抽象化に焦点を合わせている。たとえば、ニューロメモリスタ・システムは、大脳皮質微小回路の動作の詳細を、抽象的なニューラルネットワークモデルに置き換えることができる。 ニューロンにヒントを得た、しきい値論理関数のメモリスタによる実装がいくつか存在し、、高レベルのパターン認識アプリケーションに応用されている。最近報告された応用例では、音声認識、顔認識、物体認識などがある。また、従来のデジタル論理ゲートを置き換える用途もある。 理想的な受動メモリスタ回路では、回路の内部メモリに関する正確な方程式(Caravelli-Traversa-Di Ventra方程式)がある。 d d t W → = α W → − 1 β ( I + ξ Ω W ) − 1 Ω S → {\displaystyle {\frac {d}{dt}}{\vec {W}}=\alpha {\vec {W}}-{\frac {1}{\beta }}(I+\xi \Omega W)^{-1}\Omega {\vec {S}}} 物理的メモリスタネットワークの特性と外部ソースの関数として表すことができる。上の式で、 α {\displaystyle \alpha } は「忘却」時のスケール定数、 ξ = r − 1 {\displaystyle \xi =r-1} と r = R off R on {\displaystyle r={\frac {R_{\text{off}}}{R_{\text{on}}}}} は、メモリスタの限界抵抗のオフ値とオン値の比、 S → {\displaystyle {\vec {S}}} は回路のソースのベクトル、 Ω {\displaystyle \Omega } は回路の基本ループの投影線である。定数 β {\displaystyle \beta } は、電圧の次元を持ち、メモリスタの特性に関連している。その物理的な起源は、導体内の電荷移動度である。対角行列とベクトル W = diag ( W → ) {\displaystyle W=\operatorname {diag} ({\vec {W}})} と W → {\displaystyle {\vec {W}}} はそれぞれメモリスタの内部値であり、0から1の間の値を持つ。したがって、この式では、信頼性を高めるためにメモリ値に追加の制約を加える必要がある。
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