ドレイプト・バスト(1796年 - 1807年)
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「10セント硬貨 (アメリカ合衆国)」の記事における「ドレイプト・バスト(1796年 - 1807年)」の解説
最初に流通した10セント硬貨は、1796年のドレイプト・バスト・ダイム (Draped Bust dime) である。硬貨の両面のデザインは当時一般に出回っていた他の硬貨と同じで、こうしたデザインは一般に「ドレイプト・バスト/スモール・イーグル」デザインと呼ばれた。このデザインは造幣局の主任彫刻家を務めていたロバート・スコットによるものである。表側に描かれている女神の肖像は、ギルバート・スチュワートによって描かれたアン・ウィリング・ビンガムの肖像画を基にして作られたものである。このアン・ビンガムはフィラデルフィアの社交界で著名な女性であり、フィラデルフィアの政治家であるウィリアム・ビンガムの妻である。裏側のデザインは、ヤシとオリーブの枝に囲まれ、雲にとまっている小さなハクトウワシが描かれている。1792年の貨幣法では1セント硬貨と50セント硬貨のみが通貨単位の表示を求められていたため、このドレイプト・バスト・ダイムは表面に何セントなのかが刻印されていない。 1796年のダイム硬貨はその表側に15個の星が描かれており、当時のアメリカにおける州の数を表している。その後、最初の方に製造された1797年の硬貨には16個の星が描かれており、テネシー州が16番目の州として承認されたことを反映している。しかし、加わった州の数を一つ一つ硬貨に描き足していくとデザインに混乱が起こることから、当時造幣局の重役の位に就いていたエリアス・ボウディノットは、元々の13植民地を表す13個の星を硬貨にデザインするよう命じた。そのため、1797年のダイム硬貨には、星が13個描かれたものと15個描かれたものの両方が存在する。 また、裏面に再びロバート・スコットがデザインした、ヘラルディック・イーグルと呼ばれるワシが描かれた10セント硬貨が1798年、新たにお披露目となった。表側はそれ以前のデザインと同じものが継続されたが、裏側のワシはそれまで一般に「やつれたワシ」とも非難されていたワシの絵から、合衆国の国璽が彫られたものへと変更されたのである。1799年と1806年の製造年が刻まれたダイム硬貨は造られていないが、このドレイプト・バスト/ヘラルディック・イーグルは1807年まで造られ続けた。また、どちらの硬貨も89.24%の銀と10.76%の銅で構成されている。
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