ドブルィニャとズメイ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/27 19:42 UTC 版)
「ドブルィニャ・ニキーティチ」の記事における「ドブルィニャとズメイ」の解説
以下の梗概は、1871年にアレクサンドル・ギリフェルジング(英語版)が語り手 P. L. Kalinin から採集した、オロネツ県(英語版)ポヴェネツキー郡(英語版)に伝わるバージョンに基づく。 ブィリーナは、ドブルィニャの母親がドブルィニャに、サラセンの山々を避けるように、仔竜を踏みつけないように、ロシアの捕虜たちを助けないように、プチャイ川(ロシア語版)で水浴びをしないように、と忠告するところから始まる。ドブルィニャは母親に従わず、この四つのことすべてをおこなってしまうこととなる。 ドブルィニャがプチャイ川で水浴びをしていると、十二の体幹を持つ竜(ズメイ・ゴルィニチ(ロシア語版)とする異伝もある)に出くわした。丸腰で絶体絶命の中、ドブルィニャは「ギリシャの帽子」を発見し、それを使って竜を倒した。 この雌竜と思しき竜は、ドブルィニャに命乞いをし、二人は不可侵条約を結んだ。竜はすぐに約束を破り、キエフに飛んでいき、ウラジーミル王子の姪ザバーヴァ・プチャチーチナ (ru:Забава Путятична) をさらった。 ドブルィニャがキエフに到着すると、ウラジーミル王子はドブルィニャに、姪を救出せよ、さもなくば死刑に処す、と命じた。ドブルィニャは母親に、その務めのための馬も槍もないと訴え、家宝の馬ブルークと絹を編んだシェマハ (en:Shemakha) 産の魔法の鞭を授かる。(また、後に明らかになるように、彼は槍も持って行った。) ドブルィニャは捕虜の一部を救出し、竜の仔を踏みつけたが、そのうちの一匹が馬の脚に噛みつき動けなくしてしまった。ドブルィニャは魔法の鞭を思い出し、それで鞭打つことで馬に活力を取り戻させ、解放された。竜は我が仔の死に怒って現れ、戦わずしてザバーヴァを引き渡すことを拒否した。 ドブルィニャはサラセンの山々で3日間竜と戦った。3日目には諦めて立ち去ろうとしたが、天からの声がもう3時間戦うように告げた。3時間後、ついにドブルィニャは竜を退治した。 竜の血は地中に染み込まず、ドブルィニャは3日間、血の池の中でのたうち回った。やがて、天からの声が槍を地面に突き刺して呪文を唱えるように告げた。血は大地に飲み込まれ、ザバーヴァは救出された。 ドブルィニャは農民であったため、ザバーヴァと結婚することができず、彼女をアリョーシャ・ポポーヴィチ(英語版)に譲った。代わりにドブルィニャは女戦士 (ru:Поленица) のナスターシャ (ru:Настасья Микулишна) と出会い結婚した。
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