トランスマッシュホールディングとは? わかりやすく解説

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トランスマッシュホールディング

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/24 10:03 UTC 版)

トランスマッシュホールディング
АО «Трансмашхолдинг»
Transmashholding(TMH)
種類 ジョイント・ストック・カンパニー
本社所在地 ロシア
モスクワ州モスクワ
設立 2002年
業種 輸送用機器
事業内容 鉄道車両の製造・販売
代表者 キリル・リパ(CEO
売上高 約1,558億 ルーブル2017年[1]
総資産 約1,364億 ルーブル(2017年)[1]
主要株主 株主 ロシアの投資家(100%)
主要子会社 下記を参照
関係する人物 関連人物 キリル・リパ (Kirill Lipa)
外部リンク http://www.tmholding.ru/
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トランスマッシュホールディングロシア語: Трансмашхолдинг英語: Transmashholding、TMH)は、ロシア連邦モスクワに本社を置くジョイント・ストック・カンパニー。ロシアにおける最大の鉄道車両メーカーであり、国内各地の鉄道車両製造工場などを傘下に収めている[2][3][4]

概要

ロシアの実業家であるイスカンダル・マクムドフ英語版とドミトリー・コルサコフによって2002年に設立された輸送機器メーカー。当時のロシア各地の鉄道路線ではソビエト連邦(ソ連)時代に大量生産された車両の老朽化が進んでおり、それらを置き換える新型車両の大量生産に商機を見出した事が設立の理由とされている。2006年以降は連邦反独占庁(Federal Antimonopoly Service, FAS)[5]からの許可の元、ソ連時代から創業を続けていたロシア国内各地の鉄道車両メーカーを傘下に置き、各企業間の連携を強めている。また新技術の導入にも積極的に取り組んでおり、多数の海外企業と連携し合弁会社を設立している。更にロシアや旧ソ連各国以外のみならずアルゼンチンを始め世界各地への進出にも力を入れており、2018年にも南アフリカの重電大手であるDCDの株を所得し南アフリカにおける投資を強めている[2][3][6]

2013年時点での世界の鉄道車両市場における売り上げは約4,000億円で、中国北車中国語版中国南車[注釈 1]ボンバルディア・トランスポーテーションに次ぐ世界第4位の規模であった[7]

2018年年現在、トランスマッシュホールディング(Transmashholding)の株はオランダの持株会社The Breakers Investments B.V.が100%支配しており、それを介してアルストム (Alstom)が20%%の株式を保有している。 2023年12月、アルストムはロシアの投資家に持ち株を売却した。2024年7月現在、トランスマッシュホールディングはロシアの株主によって100%所有されている。 [8]

子会社

2019年の時点で、トランスマッシュホールディングは以下の子会社を所有している[9]

主要製品

他社との関係

  • シーメンス - 2005年に電気機関車電車用の静止形コンバータを製造する合弁会社であるトランスコンバータ(ООО «Трансконвертер»)を設立している[3]
  • ボンバルディア・トランスポーテーション - 2008年に電気機関車用のインバータを製造する合弁会社を設立する契約が交わされている[13]
  • クノールブレムゼ - 2007年に鉄道車両用の制動装置の製造を行う合弁会社設立に合意[14]
  • アルストム - トランスマッシュホールディングの株主となっている他、多数の合弁事業を手掛けており、2008年には車両機器の開発を行うTRトランス(TRTrans)が、2012年にもサンクトペテルブルクなどへ向けた超低床路面電車製造を目的としてトラムルス(TramRus)が、更に翌2013年にはロシアカザフスタン向けの電気機関車用の電動機などを製造するレールコンプ(RailComp)が設立されている[15][16][17]
  • Trenes Argentinos Infraestructura(ADIFSE) - アルゼンチン国内で使用される車両の修繕や更新工事を行うための合弁会社、TMHアルゼンチン(TMH ARGENTINA)を設立。2011年に閉鎖された、サルミエント鉄道(Ferrocarril Domingo Fausito Sarmiento)のメチータ車両工場(Talleres Ferroviarios Mechita)[注釈 2]を再稼働した上で使用しており、最低100人の労働者の雇用を確保している[18]
  • 日立製作所 - 2018年にロシア国内で電気機器を生産する合弁会社としてTMHトラクションシステムズ(TMH Traction Systems)の設立を発表。またそれ以前からメトロワゴンマッシュが製造する地下鉄で使用される電気機器の製造を手掛けている[4]

脚注

注釈

  1. ^ 2014年12月30日に両社は中国中車へ合併。
  2. ^ 同サルミエント鉄道(俗にサルミエント線とも呼ばれる)のオンセ(Once de septembre) - トアイ(Toay)線上に位置する。民間企業の東鉄道(Ferro Carril Oeste)により建設・操業が始められ、1949年の同国鉄道国有化によりサルミエント鉄道の所属となったのち、同国鉄道州・民営化に伴い1993年からはブエノスアイレス州の所属となり、同州の運営する鉄道事業U.E.P.F.P - Ferrobaires(フェロバイレス)の工場として稼働したが、財政上の問題から2011年より操業を停止していた。そこが、同国主要鉄道再国有化に伴い再び政府所有となったものである。

出典

  1. ^ a b Бухгалтерская отчётность 2019年7月17日閲覧
  2. ^ a b Трансмашхолдинг - ウェイバックマシン(2009年10月26日アーカイブ分)
  3. ^ a b c d На кого наедет русский экспресс - ウェイバックマシン(2017年10月2日アーカイブ分)
  4. ^ a b c 日立とTMHが鉄道車両用電気品を製造する合弁会社をロシアに設立 日立製作所 2018年5月22日作成 2019年7月17日閲覧
  5. ^ ロシア(Russia):公正取引委員会”. 公正取引委員会. 2019年7月17日閲覧。
  6. ^ 重電DCD、露車両製造TMHが出資” (2018年6月9日). 2019年7月17日閲覧。
  7. ^ 日本の鉄道技術の海外展開” (PDF). 交通安全環境研究所. 国土交通省 (2015年11月19日). 2019年7月17日閲覧。
  8. ^ Французская Alstom снизила долю в «Трансмашхолдинге» ниже блокирующей” (2018年8月2日). 2019年7月17日閲覧。
  9. ^ ENTERPRISES”. Transmashholdings. 2019年7月17日閲覧。
  10. ^ История предприятия”. Луганськтепловоз. 2019年7月17日閲覧。
  11. ^ TMH Argentina”. 2019年7月17日閲覧。
  12. ^ Fahrzeugtechnik Dessau meldet Insolvenz an” (2018年5月28日). 2019年7月17日閲覧。
  13. ^ Bombardier Transportation and Transmashholding Establish Engineering Joint Venture to Develop New Generation - ウェイバックマシン(2012年11月14日アーカイブ分)
  14. ^ Knorr-Bremse breaks into Russia - ウェイバックマシン(2012年5月31日アーカイブ分)
  15. ^ TRTRANS”. Transmashholdings. 2019年7月17日閲覧。
  16. ^ TRAMRUS”. Transmashholdings. 2019年7月17日閲覧。
  17. ^ RAILCOMP”. Transmashholdings. 2019年7月17日閲覧。
  18. ^ ¿QUIENES SOMOS? TMH ARGENTINA”. 2019年7月17日閲覧。

トランスマッシュホールディング(ロシア)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/31 02:04 UTC 版)

鉄道車両におけるハイブリッド」の記事における「トランスマッシュホールディング(ロシア)」の解説

トランスマッシュホールディングは2019年8月28日にPRO//Motion.Expoにてハイブリッド方式入換機関車試作車公開した都市部での使用考えた2軸の入換機関車で、200kWのディーゼルエンジンと240kWのリチウムイオン電池搭載している。ロシア鉄道による使用決定しており、2020年からの量産予定されている。

※この「トランスマッシュホールディング(ロシア)」の解説は、「鉄道車両におけるハイブリッド」の解説の一部です。
「トランスマッシュホールディング(ロシア)」を含む「鉄道車両におけるハイブリッド」の記事については、「鉄道車両におけるハイブリッド」の概要を参照ください。

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