トラベル・ミステリ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 00:09 UTC 版)
広義には、有名な観光地を舞台にするなど、探偵役が何らかの形で観光に関わる作品を指す。旅先の情景や風土といった旅行記的な要素も人気の一因で、テレビドラマや映画など、映像化に適したジャンルでもあり、その面での傑作も多い。日本では特に西村京太郎の多作によって、人気ジャンルの一つになっている。 狭義には、鉄道や航空機などの交通手段を用い、その運行予定表の裏をかいたアリバイ工作の登場する作品。鉄道の場合時刻表を駆使したトリックが使われることが多く「時刻表もの」とも呼ばれるが、車両の構造を利用する例もある。特に日本では鉄道の定時性が極めて高く、国民の間で広く利用されていることが、このジャンルの成立と人気を支えている。 鮎川哲也が先駆的作品である『ペトロフ事件』で初めて列車の時刻表を用いて以降、時刻表ミステリが定番となった。松本清張は社会派とされるが、代表作のひとつ、『点と線』は、時刻表ミステリの代表的作品といえる。 海外では公共輸送機関の定時性が日本ほど厳密ではないため時刻表トリックは成立しにくいが、欧米では上流階級がクルーズ客船やクルーズトレインでヨーロッパを旅行するというシチュエーションは自然であるため、『オリエント急行の殺人』のような走行中の列車内で探偵が事件に遭遇する「動く密室」としての利用が多い。このような作品は通常、本格ものに分類される。
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