トベとは? わかりやすく解説

とべ

接尾上代人名に付けて敬称として用いる。男女ともに用いる。とめ。

名草—」〈神武紀


戸部

読み方:トベ(tobe

所在 神奈川県(京浜急行電鉄本線)

駅名辞典では2006年8月時点の情報を掲載しています。

トベ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/03 14:11 UTC 版)

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トベ(戸畔、戸弁、戸辨、戸辺、戸邊、戸邉、刀俾、戸部、富部、砥部、土部)は、ヤマト王権以前の称号(原始的カバネ)の一つで、後に一般的姓や地名として使われる[要出典]。トベはトメ(戸賣、斗女、刀咩)の語源でもある[1]

首長

日本書紀』の神武天皇紀には、天皇に服従しない紀ノ川河口の名草戸畔(ナグサトベ)、熊野地方の丹敷戸畔(ニシキトベ)、および大和国層富県(そほのあがた) の新城戸畔(ニキトベ)という首長の名が残されている。

ヤマト王権の初期には木国造、すなわち紀伊の首長である荒河戸辨命(アラカワトベ)は子女を崇神天皇の妃におくり、豊城入彦命上毛野氏および下毛野氏の祖)や豊鍬入姫命が生まれている。同時代に丹波国氷上郡の首長に氷香戸辺(ヒカトベ)、垂仁天皇の妃に山背国造の娘・苅幡戸邊(カリハタトベ)およびに綺戸邊(カニハタトベ)が見える。倭建命の東征に仕えた尾張国造建稲種命は母に眞敷刀俾(マシキトベ、下知我麻神社の祭神)、子に尾綱真若刀俾命(オツナマワカトベ)、別名を志理都紀斗売(シリツキトメ)と伝えている。

トベとトメ

作鏡連の祖であるイシコリドメ(伊斯許理度売命、石凝姥命)はイシコリ「トベ」(石凝戸辺)とも書かれている。『古事記』に見られるシリツキトメ(志理都紀斗賣)は、『海部氏系図[注釈 1]ではシリツキトベ(志里都岐刀邊)となっている。

信濃国斗女(トメ)郷は戸辺または富部(トベ)と呼ばれていた[2]。また信濃国にはヒカナトメ(氷鉋斗賣神社)、サラシナトメ(更級斗女神社)、カワナカジマトメ(川中島斗賣神社)、ヤサカトメ諏訪大社下社)と神名に「トメ」がつく神が多く祀られている。

また『先代旧事本紀』や『海部氏系図』に現れるアマトメ(天登目命、天斗米命)、タケトメ(建登米命、建斗米命)、タエトメ(妙斗米命)の子孫にムトベ( 六戸部、六人部、身人部)連が知られており、ここでもトベとトメの関連が見出されるとする説がある。ただし「刀売、斗売、戸弁、戸辺」が上代特殊仮名遣いの「ト」甲類と「メ・ベ」甲類であるのに対して、「登米・登目」は「ト」乙類と「メ」乙類であり、「斗米」は「ト」甲類と「メ」乙類であるため、首長を表す「トベ・トメ」とは全くの別物である。また六人部の部はの意味であり、六人部も「六」+「人部」ではなく「六人」+「部」である。

地名のトベ

現在、戸部町横浜市)や戸部川(神奈川県)がある。かつて尾張国愛智郡には戸部村があり、マシキトベやシリツナマワカトベとの関係が考えられる。伊予国伊予郡には砥部村→砥部町がある。

姓氏のトベ

現在、戸辺(戸邉・戸邊)姓は千葉県(特に野田市)および関東の利根川沿いに集中している。戸部姓は群馬県に集中している。富部姓は静岡県に集中している。土部姓は神奈川県富山県に集中している[3]

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ 太田亮『日本上代における社会組織の研究』1921年
  2. ^ 太田亮 『姓氏家系大辞典』、吉田東伍『大日本地名辞書」
  3. ^ 「姓名分布&姓名ランキング」(http://www2.nipponsoft.co.jp/bldoko/index.asp)にて調査
  1. ^ 偽書とする説がある。

外部リンク


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