テーマ、影響、作風
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 23:16 UTC 版)
「レオン・ガーフィールド」の記事における「テーマ、影響、作風」の解説
ガーフィールドが児童向けに書いた小説は、いずれも歴史的時代を舞台にしている。初期作品では設定年代は多くの場合18世紀後半で、『ジョン・ダイアモンド』以降では19世紀が増えた。ただし、ガーフィールドにとって歴史的時代は単にキャラクターを動かす出発点なのであって、彼が史実や社会情勢を扱うことは稀である(2・3の小説では史実が扱われているが、作中人物たちの限られた認識力の範囲内で語られているに過ぎない)。 彼の歴史小説はチャールズ・ディケンズとロバート・ルイス・スティーヴンソンの影響を強く受けている。例えば"Jack Holborn"は登場人物たちが宝を求めて冒険旅行に出るというプロットが明らかに『宝島』を土台としているし、ガーフィールド自身が『バラントレーの若殿』の兄弟から着想を得たことを認めている。またガーフィールドは、個々の作品のアイディアだけでなく、「どちらかと言えば保守的な主人公」と「保守的な道徳から外れた強烈な個性を持つ脇役」を組み合わせる技法も、スティーヴンソンから継承している。「はみ出し者たちが助け合う家族として一つにまとまる」というプロットは、ディケンズに多くを負うものである(これは『ねらわれたスミス』、『テムズ川は見ていた』で最も明白に見られる)。またガーフィールドは、舞台を都会(多くの場合、ロンドン)に設定するという嗜好も、ディケンズと共有している。 ガーフィールドの父は、妻と離婚すると同時に息子とも縁を切っている。ガーフィールド研究家ロニ・ナトフ(Roni Natov)の見解では、この厳しい親子関係は作品に大きな影響を与えており、作中の父親像はガーフィールドを読み解く上で重要性が高い。ガーフィールド自身、この見解を一部認める発言をしている。
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