テロメアの維持
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 23:39 UTC 版)
テロメアは複製時に線状染色体の末端の完全性を維持し、DNA修復装置によって二本鎖切断として認識されることがないよう保護している。MRN複合体は、主にシェルタリン(英語版)複合体のTERF2(英語版)タンパク質へ結合することで、テロメアの維持にも関与している。また、NBS1はテロメラーゼによるテロメアの伸長に必要な構成要素であることが示唆されている。さらに、MRN複合体の構成要素のノックダウンはヒトのテロメア末端のGオーバーハングの長さを大きく減少させ、いわゆるTループと呼ばれる構造の適切な形成を阻害してテロメアを不安定化する可能性がある。がん細胞におけるALT(alternative lengthening of telomeres)機構によるテロメア伸長もMRN複合体、特にNBS1サブユニットに依存していることが示されている。以上より、MRN複合体がテロメアの長さと完全性の維持に重要な役割を果たしていることが示唆される。
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