テロメアのノンコーディングRNA
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/17 05:05 UTC 版)
「長鎖ノンコーディングRNA」の記事における「テロメアのノンコーディングRNA」の解説
テロメアは哺乳類の染色体の末端領域に形成され、染色体の安定性と老化に必要不可欠であり、がんなどの疾患で中心的な役割を果たす。テロメアは転写不活性なDNA-タンパク質複合体であると長らく考えられてきたが、2000年代後半にテロメアリピートがテロメアRNA(TelRNA)またはTERRA(英語版)(telomeric repeat–containing RNA)として転写されている可能性が示された。こうしたncRNAの長さは一定ではなく、テロメア周辺領域のいくつかの遺伝子座から転写され、テロメアに物理的に局在する。これらとクロマチンとの結合は、これらがテロメア特異的なヘテロクロマチン修飾の調節に関与していることを示唆しており、テロメアの喪失から染色体の末端を保護しているSMGタンパク質によって抑制される。さらに、TelRNAはin vitroでテロメラーゼの活性を遮断するため、テロメラーゼの活性を調節している可能性がある。これらの研究は、テロメアのncRNAがテロメアの生物学のさまざまな側面に関与していることを示唆している。
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