チャレンジャー302ハイパフォーマンスV8
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「フォード・チャレンジャーV8」の記事における「チャレンジャー302ハイパフォーマンスV8」の解説
(Challenger 302 High-Performance V-8) RX-395の社内呼称で開発されたトランザム用の特殊エンジンである。1968年早々にFIAツーリングカー (当時グループ2) の公認を取得するマスタングGT (公認名称、フォード・1968マスタングGpII302) 用に前年8月から11月にかけて1,000機製造された。 プッシュロッド「インディアナポリス」で原概念が初めて試みられ、NASCARグランドナショナル選手権 (NASCAR Grand National Championship) やル・マン24時間などの製造者国際トロフィー (Trophée International des Constructeurs) で実績を上げていたトンネルポートシリンダーヘッドを採用している。これは吸気ポートをプッシュロッドに構わず円形断面のまま燃焼室まで最短距離で到達させる手法であり、このためプッシュロッドを通す鞘管が吸気ポートを縦に貫通している。シリンダーブロックはGT40用を流用し、メインベアリングキャップは4ボルト式である。また、フォード・インディアナポリスエンジンの知見を踏襲し、ドライデッキ式が採用されている。バルブリフターはソリッド型、燃料供給装置はデュアルクワッドである。 (寸度諸元はチャレンジャー302V8に同じ) 燃料供給装置 4バレルキャブレター (4300) 定格流量540立方フィート毎分 (15.3 kL/min) 2基 圧縮比 11.00: 1 (プレミアムガソリン指定) グロス最高出力 306英馬力 (228 kW) 1968年度のトランザムではキャブレターをホーリーのデュアルクワッドに替え、12.5対1の圧縮比などで500英馬力 (373 kW) 以上を発生した。しかしオーバルトラックやル・マン24時間サーキットなどの全開時間が長いコースで成功した手法をそのまま適用したため、最高出力は十分すぎるほど高かったが、逆に中低速トルクが細り、シリーズの多くのサーキットコースでは満足な成績を得られえず、運用はこの1季で終了した。
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