ダートで他を圧倒
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 07:02 UTC 版)
当日は1番人気ながらオッズでは連勝中のエンゲルグレーゼと2倍台を分け合った。外の15番枠から好スタートを切ると中団の好位につけ、初ダートとは思えぬ抜群の行きっぷりで楽々とハイペースを追走。3コーナーを前にして動き出すと、第4コーナーでは一気に先頭を行くサウスヴィグラスに並びかける。最後の直線では後続を引き離し、前年のNHKマイルカップ優勝馬・イーグルカフェに9馬身差をつけて圧勝した。走破タイム1分33秒3は、1992年にナリタハヤブサが記録した1分34秒5を1秒2更新するJRAレコードであり、芝コースのタイムに匹敵するものだった。騎乗した武は「3コーナーから一気に上がっていく競馬を、あえてしてみた。普通、直線が長くて最後に坂がある東京であんなレースをしたら、惨敗するのが当たり前だが、この馬は最後に突き放して勝ってくれた。他の馬とは次元が違うというか、レベルが違いすぎた」と振り返っている。なお、翌日に行われた天皇賞ではアグネスデジタルが優勝し、同馬の馬主である渡辺孝男は「周りから心ないことを色々言われたが、言った人たちは恥をかいたんじゃないか」と語った。 11月24日、ダートの国際招待競走・ジャパンカップダートへ出走。当年はアメリカから一線級の実績馬であるリドパレスが出走したが、クロフネは同馬を抑えオッズ1.7倍の1番人気に支持された。スタート直後クロフネは隣のゲートのジェネラスロッシと接触、やや出負けした感じで後方からの競馬となったが、2コーナーで外に出すと馬なりのまま徐々に順位を上げていく。3コーナーを前にしてリドパレスもかわして3番手まで上がると、4コーナーで持ったままで単独の先頭に躍り出た。直線に入ると独走態勢となって前年度優勝馬ウイングアローに7馬身差をつけての優勝を果たした。走破タイム2分5秒9は同馬が前年度に記録した2分7秒2を1秒3更新する、2戦連続のJRAレコードであった。武は「これまでにも、いい馬にたくさん乗せていただきましたが、今日のレースに限って言えば、今まで乗ってきた馬の中でも、こんなに強い馬はいませんでした」と称え、松田は「スムーズに4コーナーを回ったところで勝てると思いました。レコードで2回続けて走ったので、注意深く馬の様子を見ていく必要がありますね」とコメントした。8着と敗れたリドパレス騎乗のジェリー・ベイリーは「言い訳はしない。勝った馬が強すぎた」と述べた。
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