ダンスミュージック系
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 02:56 UTC 版)
「エレクトロニカ」の記事における「ダンスミュージック系」の解説
以下に挙げるサウンドはどちらかというと(狭義の)エレクトロニカ以前のダンスミュージックであるテクノやドラムンベース、トリップ・ホップなどとの関連性が高い。しかしエレクトロニカと同時期に発展したこともあって、同列に挙げられることが多く、アーティストやレーベル間でも交流があったり、同じアーティストでも非ダンス/ダンスミュージック両面のアプローチをすることもある。 クリック・ハウス(もしくはクリック・テクノ)は前述のように最も流行した手法である。ダンスミュージックにこの手法が適用された例で注目されるのは、ミル・プラトーでクリックハウスというよりカットアップ・ハウスとでも呼ぶべき手法でDeck The Houseというスマッシュヒットを飛ばしたアクフェン、チリ出身、ベルリンでリッチー・ホウティンと共に活動をするリカルド・ヴィラロボス、ユーモラスなコラージュハウスを得意とするハーバートといったアーティストである。 ブレイクコアはドラムンベースやドリルンベース及びガバの派生系と見られており、μ-Ziqのレーベルプラネット・ミューが有名。ヴェネチアン・スネアズが主要アーティストとして挙げられる。ブレイクコアの中には一部のガバ(アタリ・ティーンエイジ・ライオットなど)やグラインドコアの影響を受けて、インダストリアルに近い方向性を示すアーティストもいる。 ダブを取り入れたテクノとしてベーシック・チャンネル一派のミニマル・ダブがあり、~Scapeといったレーベルやポール、ヴラディスラヴ・ディレイ、ヤン・イェリネック、モノレイク、デッドビートといったアーティストが挙げられる。基本的にはエレクトロニカ以前より勃興しておりテクノやハウスの直系であるが、彼らが多用するレコードノイズがグリッチの一種とされたり、非ダンスのアプローチが多いこともあって、狭義のエレクトロニカとの関連も深い。またこのシーンより影響を受けて、アロヴェインのように「オウテカ・ミーツ・チェイン・リアクション」と呼ばれるようなサウンドを展開するアーティストもいる。また、下記のダブステップ勃興以降はダブステップへと移行する、あるいはダブステップのシーンと深い関わりを持つアーティストも多い。 また、ダブ、グライム、エレクトロニカ、トリップ・ホップ、ドラムンベース、ブレイクコア、2ステップなど幅広い影響を受けた、フロア向けサウンドの総決算とも言えるダブステップと呼ばれるジャンルも誕生した。ダブステップの代表格ブリアルが2006年にリリースしたファーストアルバムburialは、00年代最大の事件と評されることがある。ラガ色、ヒップホップ色の強い物から、ほとんど純然たるエレクトロニカと聞き分けがつかないようなものまで、幅広いサウンドが近年ダブステップと呼ばれるようになっている。詳しくはダブステップの項を参照。 さらに、近年ポストダブステップとしてブロステップ(Brostep)と呼ばれる特徴的なサウンドが注目されている。一般的にはベースに極端なLFOを掛けてダブ色を薄くし、レイヴ色・トランス色を増したコマーシャルなサウンドがそう呼ばれているが、まだ勃興したばかりのジャンル故に明確な定義をするのは難しい。大手レーベルのコンピレーションなどでは、伝統的なダブステップよりブロステップに近似したサウンドが、ダブステップとして紹介されている例もある(同様のことが、伝統的なドラムンベースとリキッドファンクの関係にも言える)。
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