ダラーラ・GP2/11
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カテゴリー | FIA F2 (2017年) GP2シリーズ (2011年–2016年) GP2アジアシリーズ (2011年) |
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コンストラクター | ダラーラ |
デザイナー | ルカ・ピニャッカ アンドレア・トーソ |
先代 | ダラーラ・GP2/08 |
後継 | ダラーラ・F2 2018 |
主要諸元[1] | |
シャシー | サンドイッチアルミニウム/カーボンファイバーモノコック, ハニカム構造・サバイバルセル |
サスペンション(前) | ダブルスチールウィッシュボーン(プッシュロッド式) |
サスペンション(後) | ダブルスチールウィッシュボーン(プッシュロッド式) |
全長 | 5,065 mm (199 in) |
全幅 | 1,800 mm (71 in) |
全高 | 1,072 mm (42 in) |
ホイールベース | 3,120 mm (123 in) |
エンジン | メカクローム・V8108 4,000立方センチメートル (244立方インチ; 4リットル) V8 90° NA, リアエンジン, 縦置きエンジン |
トランスミッション | ヒューランド 6速+1速リバース シーケンシャルセミオートマチック |
出力 | 612 hp (456 kW) @ 10,000 rpm, 515 N⋅m (380 ft⋅lbf) (トルク) |
重量 | 688 kg (1,517 lb) (ドライバー込み) |
燃料 | エルフ LMS 89.6 MON, 101.6 RON無鉛 |
オイル | エルフ・HTX 840 0W-40 |
タイヤ | ピレリ P ZERO (ドライ), CINTURATO (ウェット) O.Z.レーシング 12 in × 13 in (305 mm × 330 mm) (前) 13.7 in × 13 in (348 mm × 330 mm) (後) 標準アルミホイールリム |
主要成績 | |
初戦 | 2011年ヤス・マリーナGP2アジアラウンド |
最終戦 | 2017年ヤス・マリーナF2ラウンド |
ダラーラ・GP2/11(Dallara GP2/11)は、イタリアのレーシングカーコンストラクター、ダラーラが製作したフォーミュラカーである。2011年から2016年までGP2シリーズ、2017年のFIA F2選手権で使用された。
概要
GP2/11はGP2シリーズで使用される車両としては全体で3世代目、FIA F2選手権で使用される車両としては初代であり、同じくダラーラが開発したGP2/08の後継車として、2011年のヤス・マリーナラウンドで導入された[2]。GP2/11は、3年ごとにシャシーをアップグレードするというシリーズの理念に沿って、2013年まで使用される予定であったが、主催者は、カテゴリーのコストを削減するために、さらに3年サイクルで競技を継続することを決定した。GP2/11は、次世代車両が2017年に導入される前の2016年まで使用される予定であったが[3]、2018年まで再び延期された[4]。GP2シリーズとFIA F2選手権はワンメイクであるため、GP2/11はグリッド上のすべてのチームとドライバーによってレースに使用された。
2025年現在、GP2/11は、2011年から2017年まで、GP2シリーズ→FIA F2選手権で最も長く使用されていたシャシーである。
デザイン
歴史

GP2/11は、2009年のF1の空力ベースラインをベースにしており、より狭く高いリアウイング、より幅の広いフロントウイングを採用し、ウイングレットを廃止している。ダラーラは2009年後半にGP2/11シャーシの開発、設計、製造を開始した。最初のシャーシは2010年7月に組み立てられ、2010年9月9日に完成した。2011年にGP2/08に代わり、GP2/11が採用された[5]。
GP2/11は、その外観と、以前の車両に比べてオーバーテイクがはるかに困難であったという事実により、以前のシャシーパッケージほど一般的には好評ではなかった[要出典]。これに対抗するため、2015年にDRSが導入された。この車両に対するもう一つの批判は、GP2/F2レベルで複数年の経験を持つドライバーに有利だったということだった[要出典]。この結果、GP2/11の使用期間中にGP2またはF2のいずれかでルーキーがドライバーズタイトルを獲得したのは1回だけで、2017年にFIA F2でシャルル・ルクレールがタイトルを獲得するまでの2011年から2016年の間でルーキーがタイトルを獲得することはなかった[6]。
2017年のFIA F2アブダビラウンドおよびアブダビ・ポストシーズンテスト終了後、シャシーとエンジンは競技から引退し、2018年からダラーラ・F2 2018に置き換えられた。GP2/11は現在もBOSS GPおよびMAXX・フォーミュラ・チャンピオンシップで定期的にレースに参戦しており、GP2の前身となる2つのマシンとも競い合っているという。
エンジンパッケージ
エンジンはメカクロームが開発した4.0 L (244 cu in) 自然吸気V8エンジンを使用しているが、排気システムは後部側で2つの出口を結合するように変更された。
タイヤ
ピレリは、2011年から2017年まで、GP2アジアシリーズ、GP2シリーズ、そしてFIA F2選手権の公式タイヤパートナー兼サプライヤーとなった。タイヤのサイズとレイアウトは2011年から2016年のF1で使用したデザインと同じで、従来の13インチホイールリムが採用された。
脚注
- ^ “The Car and Engine”. fiaformula2.com. FIA Formula 2 Ltd.. 2017年4月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年4月17日閲覧。
- ^ Glendenning, Mark (2010年7月5日). “Exclusive: First shot of new GP2 car”. autosport.com (Haymarket Publications) 2012年9月23日閲覧。
- ^ “GP2 to keep current car to cut costs”. Autosport.com (Haymarket Publications). (2013年6月17日) 2013年6月17日閲覧。
- ^ “New GP2 car model delayed until 2018”. readmotorsport.com. (2016年7月4日) 2016年7月4日閲覧。
- ^ autoblog.com. “Third-generation GP2 spec racer unveiled at Monza”. autoblog.com. 2010年9月15日閲覧。
- ^ Botticelli, Daniele (2020年4月23日). “List of GP2 champions”. 2025年5月30日閲覧。
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