ダイカスト用合金
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/18 05:03 UTC 版)
ダイカスト用合金には、各種の非鉄金属がある。すなわち、アルミ合金・亜鉛合金・マグネシウム合金である。以上の3合金は、JISに規定されている。そのほかに、銅、鉛、錫の合金も使用され、それぞれ異なった特徴を持つ。 ダイカスト用の金型には耐熱鋼が使われているが、反復使用による熱衝撃によって破損することがある。そのため溶融点の高い合金はダイカストには不向きである。銅合金のうちで亜鉛を30〜40%含む溶融点の低い黄銅が適用限界の材料とされている。 アルミニウム合金 もっとも経済的で鋳造しやすいため生産量が多い。機械的性質や成型鋳造性に優れている。 亜鉛合金 アルミに次いで生産高が多く他の合金に比較して、肉薄で精密な精度が得られる。微量不純物(鉛・カドミウム・錫など)の混入により、経年劣化することがある(マグネシウムを微量加えることで防げるが、許容限界を超えると無駄になる。よって、純度の高い亜鉛を使用しなければならない)。光沢鍍金が容易に出来る利点がある。加圧によって強度がアルミ合金よりも高くなる。ただし比重が大きいので、軽量化の役には立たない。銅を混ぜ込んだもののほうが強度は少し落ちるが、靭性が高くなる。 マグネシウム合金 実用金属中もっとも軽量である。耐食性に乏しいので防食処理が必要である。近年高純度の耐食強化合金が開発された。 銅合金 ダイカスト用合金として黄銅がある。アルミに比し硬度・耐摩擦・耐食性に秀でている。 鉛・錫合金 使用例は、鉛合金は高比重を必要とする場合に用いられ、ごく少ないが錫合金は超精密部品や食物・化学薬品と接触する部品に使用される。
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