ソニー製CCD不具合問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 01:11 UTC 版)
「CCDイメージセンサ」の記事における「ソニー製CCD不具合問題」の解説
ソニーはCCD製造において大手であり、ビデオカメラやデジタルカメラを製造する会社へ供給していた。2002年10月にCCD素子の窓となるガラス板を接着するために用いていた接着剤を変更した。 2004年春、業務用ビデオカメラにおいてCCD素子とICパッケージのピンを結ぶボンディングワイヤが破断する不具合が見つかった。ボンディングワイヤリング装置に不適切な設定を行った状態で製造していたことが判明したため、ソニー製CCDを使用していた業務用ビデオカメラメーカー各社はリコールを行い事態は収拾したと思われた。 しかし、2004年夏から徐々に、再びボンディングワイヤが破断する問題が発生した。これは変更された接着剤に含まれるヨウ素がCCDチップとボンディングワイヤが繋がっている合金部に侵入し、欠陥が生じて合金部で破断が発生するものであった。ボンディングワイヤリング装置の設定ミスが原因と思い込んでいたソニーは、問題のある接着剤でCCDを製造し続けたため、本問題を見過ごしてしまった。 2005年10月以降、ソニーおよびカメラ製造メーカー各社からリコール情報が発表された。この問題によって不具合を生じるCCDは1000万個以上、問題を生じうるデジタルカメラ・ビデオカメラは100機種以上に及んだ。なお、ソニー以外のカメラ製造メーカーは「ソニー製CCD」に起因する不良であることを明言しているわけではないが、不具合の発生状況と公表された原因から同一原因であることが認めうるとされる。 また、富士写真フイルムの子会社富士フイルムマイクロデバイス開発のスーパーCCDハニカムの一部にも同様な不良が発生しており、不具合の原因であるヨウ素化合物入り接着剤をCCD製造に用いるのは、当時の一般的な方法であったとも考えられる。 本節に関する参考文献 日経エレクトロニクス 2005年11月21日号「CCD不具合は防げなかったのか」日経BP社 AllAbout CCD不具合問題該当デジタルカメラ一覧
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