スカジット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/09 04:59 UTC 版)
アメリカでは、ワシントン州スカジット川周辺でニジマスの降海型であるスティールヘッドを効率的に釣るために、「スカジットキャスト」と呼ばれる方法が生み出された。非常に水の押しが強く水深もあるこの川では、魚の目前にフライを届けるため速く沈むシンキングラインと重たいフライが必要不可欠となるが、そのような組み合わせは通常のラインシステムやキャスティング方法では扱いづらい事この上なかった。これを改善するため、ラインを先端のみ素早く沈むシンクティップ仕様とし、ボディと呼ばれるラインの本体部は、オーバーヘッドで投げるには明らかに重すぎるような極太かつ短いフローティングラインとする。スカジットキャストの開拓に携わったメンバーのうち、主要人物であるワード(2012)は、このティップとボディを合わせた全長は使用するロッドの2.75~3倍の長さに設定し、なおかつティップ部は約10フィートにすると最も扱いやすいとしている。このシステムで流れや風を考慮して様々な場所にアンカーを打ったのちライン全てを一旦水に付ける。そして水面からラインを引き剥がす抵抗で竿を曲げると同時に後方へループを作り、前方へ打ち出す。安全に重たいフライを投げられる事に加え他のスタイルに比べて習得しやすく、非常に合理的なキャスト方法である。
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