スィールの子マナウィダン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/09 22:27 UTC 版)
「マビノギ四枝」の記事における「スィールの子マナウィダン」の解説
プレデリとマナウィダンはダヴェドに帰還した。プレデリはキグヴァ(Cigfa)と結婚し、マナウィダンはリアンノン(第一枝にも登場したプレデリの母)と結婚した。だがそのとき、魔法の霧がダヴェドに立ちこめて、家畜や従者を四人から引き離してしまった。彼らはダヴェドで狩りをして過ごしたのち、イングランドに渡り、現地の職人が及ばないほど上質の鞍・盾・靴などを作って町から町を渡り歩いた。最終的に彼らはダヴェドに戻り、ふたたび狩りの生活をはじめた。狩りの最中、白い蛇がプレデリとマナウィダンを怪しげな城へと導いた。プレデリはマナウィダンの助言に逆らって城の中へ入ったが、戻ってはこなかった。リアンノンが調べに行くと口が利けなくなったプレデリが大杯にしがみついているのを見つけた。 同じ運命がリアンノンにも訪れ、今度は城が消えてしまった。マナウィダンとキグヴァは靴職人として再びイングランドへ渡った。だがふたたび地元民は彼らを追放し、ダヴェドへ戻ることになった。二人は三つの畑に小麦の種を播いたが、最初の畑が収穫前に荒らされてしまった。その次の夜二つ目の畑も荒らされてしまう。マナウィダンが三つ目の畑を見張っていると、鼠の群れが畑を荒らしているのに出くわした。マナウィダンはそのうちの一匹を捕まえて次の日処刑することに決めた。すると、学者と司祭と司教が立て続けに現れて、礼はするから鼠を逃がしてやってはどうかと提案したが、マナウィダンは断った。何をすれば鼠の命を助けてくれるか聞かれ、マナウィダンはプレデリとリアンノンの解放と、ダヴェドにかけられた魔法を解くことを要求した。司教はこれに同意した。というのも鼠の真の姿は彼の妻であったからだ。司教は自分の本当の名前がキル・コイトの息子スィウィト(Llwyd ap Cil Coed)であり、友人であるグワウルへの侮辱に対する復讐としてダヴェドに魔法をかけたことを明かした。
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