ジョージモナークとは? わかりやすく解説

ジョージモナーク

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/20 07:04 UTC 版)

ジョージモナーク
欧字表記 George Monarch[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 芦毛[1]
生誕 1985年5月14日[1]
死没 2008年
ミルジョージ[1]
レッドシグナル[1]
母の父 Roan Rocket[1]
生国 日本北海道[1]
生産者 古川渉[1]
馬主 須原秀晴[1]
調教師 赤間清松大井[1]
競走成績
生涯成績 39戦11勝(うち中央競馬8戦1勝)[1]
獲得賞金 1億9,710万400円[2]
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ジョージモナークとは、日本競走馬種牡馬である[1]南関東公営競馬で活躍し、地方競馬所属馬として中央競馬重賞である産経賞オールカマーを制し、ジャパンカップにも二度参戦した。

経歴

1987年11月に競走馬としてデビュー。翌12月に2戦目で初勝利を挙げた。ジョージモナークを管理した赤間清松によると同馬は臆病ともいえる繊細さをもち、レースで競り合いになると弱い面があった。そのため赤間は1988年の1月のレースで3着に敗れたあと、同馬の精神面を鍛えようとハードな調教を課したが、調教中に右脚の第二臼骨を骨折。骨が3つに割れ、獣医師が安楽死させるべきだと主張するほどの重傷であったが馬主サイドの要望で治療が施され、まもなく自力歩行が可能な程度に回復。さらに1989年2月にはレースに復帰するほどの回復を見せた[3]

復帰後は同年7月まで6連勝を飾ったがその後10戦して1勝と勝ちきれないレースが続くなか、陣営は当時の中央競馬における代表的な地方競馬招待競走であった重賞オールカマーへの出走を決定。17頭中単勝8番人気と評価は高くなかったが、マイペースの逃げを打ち2着と好走した。これを受けて陣営はジャパンカップへの出走を決定。前哨戦の富士ステークスでは1番人気となったが4着、ジャパンカップは15頭中15番人気で15着に敗れた。

翌1991年、地元大井競馬場の重賞関東盃を優勝し重賞初制覇を達成。続いて2年連続でオールカマーに出走した。レースでは終始3番手を進み、直線で逃げたユキノサンライズを交わして先頭に立つとホワイトストーンの追撃を振り切って優勝した。その後陣営は前年と同様のローテーションでジャパンカップに出走したが富士ステークスは3着、ジャパンカップは15着に敗れた。翌1992年も競走生活を続けたが勝利を挙げることはできず、3度目の出走となったオールカマー(5着)を最後に競走馬を引退した。

競走馬を引退したあとは種牡馬となったが目立つ活躍馬を出すことはできず、2003年に種牡馬を引退、2008年に死亡した。

競走成績

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
1987.11.10 大井 3歳新馬 ダ1000m(良) 8 6 6 000.00(1人) 02着 R1:02.9 -0.5 0的場文男 53 チョウヨオオーカン 485
0000.12.08 大井 3歳 ダ1400m(良) 9 8 8 000.00(1人) 01着 R1:31.3 -1.0 0的場文男 53 (ファルコメント) 488
0000.12.20 大井 3歳 ダ1500m(良) 7 2 2 000.00(1人) 01着 R1:37.4 -2.0 0的場文男 53 (ブルービート) 488
1988.01.07 大井 ゴールデンステッキ賞 OP ダ1700m(良) 10 3 3 000.00(1人) 03着 R1:51.5 -1.3 0的場文男 54 チャンピオンラブ 485
1989.02.06 大井 C4四組五組 ダ1400m(良) 11 7 8 000.00(1人) 01着 R1:29.1 -0.8 0的場文男 55 (ハイバロン) 500
0000.03.02 大井 蔵前特別 C4一 ダ1700m(稍) 12 4 4 000.00(1人) 01着 R1:53.0 -0.3 0的場文男 55 (トキノエイサン) 500
0000.03.30 大井 爽春特別 C1二 ダ1700m(良) 11 1 1 000.00(1人) 01着 R1:48.5 -0.3 0的場文男 55 (ダイカツハンター) 500
0000.05.10 大井 目黒区特別 B3二 ダ1700m(良) 13 2 2 000.00(1人) 01着 R1:49.4 -0.4 0的場文男 55 (ロジンラッド) 502
0000.06.06 大井 オリオン座特別 B2 ダ1800m(良) 9 7 7 000.00(1人) 01着 R1:55.2 -0.0 0的場文男 55 (デットフル) 501
0000.07.02 大井 サンデーナイト賞 B2一 ダ1800m(良) 11 3 3 000.00(1人) 01着 R1:57.3 -0.2 0的場文男 55 (ジャシントサンセー) 502
0000.08.02 大井 関東盃 重賞 ダ1600m(稍) 10 4 4 000.00(1人) 06着 R1:44.5 -2.2 0的場文男 51 ジングウブレーブ 500
0000.10.16 大井 おおとり賞 OP ダ2000m(良) 12 5 6 000.00(3人) 06着 R2:10.1 -1.0 0堀千亜樹 50 ミスターヨシゼン 499
0000.11.01 大井 東京記念 重賞 ダ2400m(重) 15 4 6 000.00(6人) 04着 R2:39.0 -0.6 0石崎隆之 51 スーパーミスト 497
0000.11.24 大井 ロイヤルC A3 ダ1600m(良) 16 8 15 000.00(1人) 04着 R1:42.9 -0.2 0石崎隆之 56 トウケイエース 492
0000.12.29 大井 東京大賞典 重賞 ダ2800m(良) 10 5 5 000.00(7人) 07着 R3:07.8 -3.5 0石崎隆之 56 ロジータ 483
1990.02.05 大井 ウインターC B1 ダ1800m(重) 13 6 9 000.00(1人) 03着 R1:54.1 -0.2 0田部和廣 56 スピリットエビス 485
0000.05.21 大井 隅田川賞 OP ダ1800m(良) 12 8 11 000.00(3人) 02着 R1:53.6 -0.1 0田部和廣 51 テツノヒリュウ 495
0000.06.03 大井 ブリリアントC A3 ダ1800m(良) 16 4 7 000.00(1人) 01着 R1:56.5 -0.6 0的場文男 56.5 (フジノパッサー) 496
0000.06.03 大井 大井記念 重賞 ダ2500m(良) 11 6 7 000.00(2人) 04着 R2:44.0 -0.3 0的場文男 53.5 ダイコウガルダン 495
0000.08.01 大井 関東盃 重賞 ダ1600m(良) 12 1 1 000.00(1人) 04着 R1:42.0 -0.8 0的場文男 53.5 テツノヒリュウ 494
0000.09.16 中山 オールカマー GIII 芝2200m(重) 17 5 10 018.20(8人) 02着 R2:13.4(37.3) -0.1 0的場文男 56 ラケットボール 492
0000.11.11 東京 富士S OP 芝1800m(良) 8 7 7 002.80(1人) 04着 R1:48.2(36.4) -0.3 0的場文男 57 モガミチャンピオン 492
0000.11.25 東京 ジャパンC GI 芝2400m(良) 15 7 13 076.8(15人) 15着 R2:25.9(36.8) -2.7 0的場文男 57 ベタールースンアップ 494
0000.12.13 大井 東京大賞典 重賞 ダ2800m(良) 11 6 7 000.00(7人) 09着 R3:05.7 -3.5 0田部和廣 56 ダイコウガルダン 500
1991.02.26 大井 金盃 重賞 ダ2000m(良) 16 6 12 000.00(6人) 06着 R2:07.5 -0.9 0早田秀治 56.5 シローランド 505
0000.04.03 大井 帝王賞 重賞 ダ2000m(良) 13 2 2 000.00(8人) 02着 R2:05.4 -0.2 0早田秀治 55 チャンピオンスター 499
0000.05.15 大井 隅田川賞 OP ダ1800m(良) 12 5 5 000.00(2人) 07着 R1:52.9 -1.2 0早田秀治 56 テツノヒリュウ 498
0000.06.20 大井 大井記念 重賞 ダ2500m(重) 12 7 10 000.00(6人) 04着 R2:40.9 -1.4 0早田秀治 57 アーデルジーク 485
0000.07.29 大井 関東盃 重賞 ダ1600m(良) 15 4 6 000.00(3人) 01着 R1:39.6 -0.1 0早田秀治 57 (ツクバスキー) 490
0000.09.15 中山 オールカマー GIII 芝2200m(稍) 14 5 7 021.50(6人) 01着 R2:12.4(35.8) -0.1 0早田秀治 56 ホワイトストーン 490
0000.11.10 東京 富士S OP 芝1800m(良) 8 4 4 002.90(2人) 03着 R1:47.8(36.8) -0.4 0早田秀治 57 スタビライザー 494
0000.11.24 東京 ジャパンC GI 芝2400m(良) 15 8 15 098.4(14人) 15着 R2:27.8(37.7) -3.1 0早田秀治 57 ゴールデンフェザント 492
1992.01.09 大井 東京シティ盃 重賞 ダ1400m(重) 14 7 11 000.00(1人) 07着 R1:26.5 -0.8 0早田秀治 58 テツノヒリュウ 501
0000.02.11 川崎 川崎記念 重賞 ダ2000m(良) 10 2 2 000.00(2人) 05着 R2:10.9 -1.5 0佐々木竹見 57 トーシンイーグル 492
0000.03.04 大井 金盃 重賞 ダ2000m(良) 16 6 12 000.00(4人) 09着 R2:06.4 -1.0 0佐々木竹見 57.5 ゴールセイフ 495
0000.04.15 大井 帝王賞 重賞 ダ2000m(稍) 16 5 9 000.00(8人) 14着 R2:10.3 -3.7 0石崎隆之 55 ラシアンゴールド
ナリタハヤブサ
490
0000.06.18 大井 大井記念 重賞 ダ2500m(重) 16 4 7 000.00(6人) 07着 R2:44.4 -2.4 0早田秀治 57 ハシルショウグン 491
0000.07.26 新潟 BSN杯 OP 芝1800m(良) 10 7 7 005.30(3人) 02着 R1:46.2(35.4) -0.1 0早田秀治 56 フェザーマイハット 488
0000.09.20 中山 オールカマー GIII 芝2200m(良) 14 7 11 013.70(6人) 05着 R2:12.8(36.8) -0.7 0早田秀治 56 イクノディクタス 494

競走馬としての特徴

  • 芝適性がかなり高く、調教師の赤間は当初からジョージモナークの走りに芝コースへの適性を見い出していた[4]。競走馬時代後半に主戦騎手を務めた早田秀治もまた同馬を芝向きでダートではそれほど強い馬ではないと評した[5]。その言葉通り引退直前、競走馬としては盛りを過ぎた7歳という高齢にもかかわらず1992年の新潟・BSN杯(芝1,800m)で二着と好走、また、引退レースとなる1992年オールカマーも5着と健闘、掲示板に載った。
  • ジョージモナークは故障を経験した影響もあって夏場に調子がよく、一方で冬場になると調子を落とすタイプの馬だった。また、その怪我の影響で左回りのコースが苦手になった。早田はそのことを初秋の中山競馬場(右回り)で行われるオールカマーで好走するものの晩秋の東京競馬場(左回り)で行われる富士ステークスやジャパンカップで結果が出ない一因として挙げている[6]
  • 前述のようにジョージモナークは性格的に競り合いに弱く、1991年帝王賞は早田いわく「勝てたレース」であったが、直線でチヤンピオンスターに寄られると後退し、2着に敗れた[7]

血統表

ジョージモナーク血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ミルリーフ系
[§ 2]

*ミルジョージ
Mill George
1975 鹿毛
父の父
Mill Reef
1968 鹿毛
Never Bend Nasrullah
Lalun
Milan Mill Princequillo
Virginia Water
父の母
Miss Charisma
1967 鹿毛
Ragusa Ribot
Fantan
*マタティナ
Matatina
Grey Sovereign
Zanzara

*レッドシグナル
Red Signal
1974 鹿毛
Roan Rocket
1961 芦毛
Buisson Ardent Relic
Rose O'Lynn
Farandole Deux Pour Cent
Faramoude
母の母
Red Poppy
1963 鹿毛
Rockefella Hyperion
Rockfel
Red Shoes Bois Roussel
Picture Play
母系(F-No.) (FN:1-s) [§ 3]
5代内の近親交配 Nasrullah4×5=9.38% [§ 4]
出典
  1. ^ JBISサーチ[8]
  2. ^ netkeiba.com[9]
  3. ^ JBISサーチ[8]
  4. ^ JBISサーチ[8]、netkeiba.com[9]

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n ジヨージモナーク”. JBISサーチ. 日本軽種馬協会. 2025年6月8日閲覧。
  2. ^ 副田拓人. “偉業 ジョージモナーク(全5話)決して力負けではない 編”. 東京シティ競馬. 2025年6月8日閲覧。
  3. ^ 『奔馬、燃え尽きるまで』p242-246
  4. ^ 『奔馬、燃え尽きるまで』p241-242
  5. ^ 『奔馬、燃え尽きるまで』p247
  6. ^ 『奔馬、燃え尽きるまで』p248-249、252-253
  7. ^ 『奔馬、燃え尽きるまで』p247-248
  8. ^ a b c 5代血統表 ジヨージモナーク”. JBISサーチ. 日本軽種馬協会. 2025年6月8日閲覧。
  9. ^ a b ジョージモナークの血統表”. netkeiba.com. ネットドリーマーズ. 2025年6月8日閲覧。

参考文献

外部リンク





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