ジョミニー式一端焼入法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/05/17 05:40 UTC 版)
ジョミニー式一端焼入法の概説図 試験片寸法 ジョミニー試験装置 試験後の試験片、小さな点々は硬さ測定の跡 試験結果(ジョミニー曲線)の例 鋼の焼入れ性を評価する方法の1つとして、ジョミニー式一端焼入法が用いられる(単にジョミニー試験とも呼ぶ)。材料の焼入れ性は「焼入れた時に表面からどれだけ深く硬い組織が得られるか」で評価されるが、焼入れ時に深さ位置が変わるに連れて変化するものは冷却速度となる。そのため、焼入れ性評価には、焼入れの冷却速度が遅いものから速いものまでの結果を用意して評価する必要があるが、これを1つの試験片で行うのがジョミニー試験である。 具体的な試験方法としては、規定された寸法の丸棒のサンプルを用いて、まず試料を均一に熱し完全にオーステナイト化した後、その一方の端部に室温の水を吹き付けて焼入れを行う。これにより、水を吹き付ける試験片端部は水焼入れ以上の速い冷却速度となり、そこから長手方向に離れるに連れて試験片の冷却速度は低下し、逆側の端部は空冷のゆっくりとした冷却速度となる。 冷却した試験片の両側面をわずかに研削除去し、端から長手方向に数mm毎に硬さを測定して、硬さの変化から焼入れ性を評価する。このような端部からの距離に対する硬さ変化の測定結果を、ジョミニー曲線と呼ぶ。ある材料のジョミニー曲線が別の材料のジョミニー曲線を全体的に上回っていれば、焼入れ性が向上しているといえる。 試験片寸法や冷却時間などは規格化されて具体的数値が決まっている。ジョミニー試験法の規格の例を以下に示す。 ASTM A 255 JIS G 0561 ISO 642 DIN 50191 BS 4437
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