シーア派の教義におけるアリー
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「アリー・イブン・アビー=ターリブ」の記事における「シーア派の教義におけるアリー」の解説
シーア派では、アリーがムハンマドから直接後継者に任じられたとし、アブー・バクル、ウマル、ウスマーンの3代の正統カリフの権威を認めない(彼らを簒奪者であるとして呪詛の対象とすることもある)。そして、指導者として預言者ムハンマドの血を引くことを重視し、ムハンマドの娘ファーティマとアリーとの間に生まれたハサン、フサインの2人をそれぞれ第2代、第3代のイマームとする(シーア派のうちカイサーン派のみは、アリーと別の妻ハウラとの子ムハンマド・イブン・ハナフィーヤを第2代のイマームとする)。一般にハサンやフサインの血統の人々は、特に「シャイフ」や「サイイド」と呼ばれ宗派を問わずムスリム社会では尊敬を受けるが、サイイド自身も預言者の後裔として社会から尊敬を受けるべく身を律するよう求められており、シーア派のみならずサイイド自身がウラマーやスーフィー教団のシャイフなど宗教的職権を担うことも一般的であった。イドリース朝やファーティマ朝、サファヴィー朝のように場合によってはムハンマドの後裔を称する人々が政権を担うことも多くあった。ファーティマ朝はイスマーイール派の信仰規範を整備し、シーア派王朝としての正統性を主張し、サファヴィー朝も神秘主義教団から勃興して十二イマーム派をイラク、イラン全土に浸透させ、現在のイラン周辺のシーア派勢力の基盤を作った。ムハンマドの子女の多くは早世し、ムハンマドの血脈はファーティマを通じてのみ残されたため、ムハンマドの血を引くことはハサンまたはフサインの子孫であることとほぼ同義である。 イスラームの中でもとりわけシーア派においては、ムハンマドは無謬であったとされ、アリーを含めた後継のイマーム達にもその無謬性は受け継がれたと見る。そのためシーア派はスンナ派のハディースの内、アリーがアブー・バクルやウマル、ウスマーンに劣っていたとするハディース等に関して、スンナ派によりアリーからのカリフの位の簒奪を合法化するために偽造されたものとみなす傾向にある。
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シーア派の教義におけるアリー
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「アリー・イブン・アビー・ターリブ」の記事における「シーア派の教義におけるアリー」の解説
シーア派では、アリーがムハンマドから直接後継者に任じられたとし、アブー・バクル、ウマル、ウスマーンの3代の正統カリフの権威を認めない(彼らを簒奪者であるとして呪詛の対象とすることもある)。そして、指導者として預言者ムハンマドの血を引くことを重視し、ムハンマドの娘ファーティマとアリーとの間に生まれたハサン、フサインの2人をそれぞれ第2代、第3代のイマームとする(シーア派のうちカイサーン派のみは、アリーと別の妻ハウラとの子ムハンマド・イブン・ハナフィーヤを第2代のイマームとする)。一般にハサンやフサインの血統の人々は、特に「シャイフ」や「サイイド」と呼ばれ宗派を問わずムスリム社会では尊敬を受けるが、サイイド自身も預言者の後裔として社会から尊敬を受けるべく身を律するよう求められており、シーア派のみならずサイイド自身がウラマーやスーフィー教団のシャイフなど宗教的職権を担うことも一般的であった。イドリース朝やファーティマ朝、サファヴィー朝のように場合によってはムハンマドの後裔を称する人々が政権を担うことも多くあった。ファーティマ朝はイスマーイール派の信仰規範を整備し、シーア派王朝としての正統性を主張し、サファヴィー朝も神秘主義教団から勃興して十二イマーム派をイラク、イラン全土に浸透させ、現在のイラン周辺のシーア派勢力の基盤を作った。ムハンマドの子女の多くは早世し、ムハンマドの血脈はファーティマを通じてのみ残されたため、ムハンマドの血を引くことはハサンまたはフサインの子孫であることとほぼ同義である。 イスラームの中でもとりわけシーア派においては、ムハンマドは無謬であったとされ、アリーを含めた後継のイマーム達にもその無謬性は受け継がれたと見る。そのためシーア派はスンナ派のハディースの内、アリーがアブー・バクルやウマル、ウスマーンに劣っていたとするハディース等 に関して、スンナ派によりアリーからのカリフの位の簒奪を合法化するために偽造されたものとみなす傾向にある。
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