シルヴァーフェイス・アンプ (Silverface Amps)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/08 16:26 UTC 版)
「フェンダー・アンプ」の記事における「シルヴァーフェイス・アンプ (Silverface Amps)」の解説
CBSがフェンダーのブランド権を買い取り、デザインを変更して販売したものである。基本的にブラックフェイス時代のモデルを引き継いでいるが、いくつかのモデルは製造を引き継がず、販売完了となった。当初は外観のみの変更であったためとくに問題はなかったが、半年ほどするといわゆる「改悪」と称される仕様変更が施された。「楽器用アンプ」という概念がCBSにはなかったため、彼らはギター・プレイヤーたちが好む歪みを「悪」と考えてしまったのである。回路の各所に抵抗を入れたり、パーツをよりオーディオ的なものへと変更していった。一部は固定バイアス方式から自己バイアス方式へ変更された。結果、フェンダー・アンプの売り上げは激減し、会社を退いていたレオ・フェンダーも「元に戻せ」という声明を出した。さらに悪いことには、時代はより歪むアンプを求めていて、新顔のマーシャル・アンプ、そしてメサブギー・アンプ(Mesa Boogie)が台頭しはじめていた。これらのことからこの時代はフェンダー・アンプ不遇の時代であり、のちにメサブギーの回路を模倣したアンプであるSuper Twin Reverbなどを発売したり、アンプ・モディファイで有名なポール・リヴェラと組んでいくつかの新製品を発表したものの評判は得られず、「フェンダー・アンプは使いものにならない」という風評を生んでしまった。フェンダー・ブランドはもともとアンプとギターを等価、もしくはややアンプのほうに力を入れていた(レオ・フェンダーはラジオ修理工から出発した人物でギターは弾かないし、ギター部門はジョージ・フラートンに任せ、自らはアンプ開発に心血を注いでいた)。現にこれ以前はフェンダー・アンプにギブソン・ギターという組み合わせに人気があったりしたのだが、この時代にアンプの評判を落としてしまったことから「フェンダー・アンプはギター屋が片手間に造っているアンプ。やはりアンプ専門のメーカーのものがいい」とまで言われるようになってしまった。
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