シックディの対応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/03/25 09:22 UTC 版)
原則としてインスリン治療中の患者は食事が取れなくても自己判断でインスリン注射を中断してはならない。食事をしないということはインスリンの追加分泌は必要ないかもしれないが、インスリンが必要な患者の多くは基礎分泌を足りていないからである。シックディになった場合はまず、糖尿病性昏睡を予防するために十分な水分補給が必要である。下痢、嘔吐が激しく摂取不能であれば医療機関を受診し、生理食塩水を一日1Lから1.5L点滴静注する。可能な限り糖分と水分を摂取し、血糖を3~4時間に1回ずつ測定し血糖値200mg/dlを超えてさらに上昇を認めるようならば、その都度、速効型または超速効型インスリンを2~4単位追加する。大抵はこのような対応にて凌ぐことができるが、自宅での対応の場合は糖尿病性昏睡の否定(尿中ケトン体の測定)ができないため可能な限りかかりつけの医療機関を受診することが望ましい。経口血糖降下薬にて治療の場合は病態によって対応が異なる。インスリン基礎分泌まで障害されている患者の場合はインスリン分泌促進薬が必須の場合もある。摂取できた糖質がいつもの半量ならインスリン分泌促進薬をいつもの半量摂取するといった調整が必要だが、こういった判断はかかりつけ医か十分な知識をもった患者自身しかできないことが多い。本人が具合が悪いからという理由で服薬状況、治療歴を把握していない家族がかかりつけでもない病院に問い合わせても、防衛医療の観点から十分な対応が取れないこともある。
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